みなさんも冬場になると、冷たい水よりも暖かいお湯で手を洗ったり、食器洗いをしませんか?
ただ、水よりもお湯の方が皮膚表面の皮脂や水分を多く取り去ってしまいます。
さらに石鹸や洗剤も使用するので手荒れになってしまいがちですよね。
また、空気が乾燥してくる冬場になると「かかとのひび割れ」に毎年お悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで、そんなときにおすすめなのが尿素です。
乾燥する季節になると尿素配合のハンドクリームや医薬品を使用している方も多いのではないでしょうか?
でも「尿素」って具体的にどんな成分なのでしょうか?
名前の「尿素」から「原料がおしっこなのでは?」と心配している方もいるかも知れません。
そこで、今回はそんな尿素について調べてみました。
※)Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。
尿素とは?

尿素は、ほ乳類の尿の中に含まれている窒素化合物の1つで、1773年に発見されたとても深い歴史をもつ成分です。
人間を含む動物は食事でタンパク質などの窒素化合物を体に取り入れた後、不要になったものを排泄しますが、その中の一つが尿素です。
尿素はアミノ酸の1種であるアルギニンが酵素の力によって変換して生まれるアミノ酸代謝物で、極少量ですが汗などにも含まれています。
水によく馴染む性質のため、ハンドクリームなどの保湿剤や医薬品として用いられることも多くあります。
また、尿素にはタンパク質を分解する力があります。
お肌の角質層はケラチンと呼ばれるタンパク質でできていますが、尿素はこの硬くなったお肌の角質をやわらかくする働きがあります。
簡単に言えば、尿素の働きでひび割れたかかとがやわらかくなるということです。
尿素の働き

尿素の働きは主に、皮膚の保湿作用と角質の軟化作用があります。
低濃度(約10%以下)では皮膚の水分を保持し乾燥を防ぐ働きをします。
高濃度(約10%以上)では角質の元となるたんぱく質に作用して、硬くなった角質をやわらかくする働きをします。
尿素は角質細胞内にある天然保温因子を構成する成分のひとつで、水分を引き寄せて肌内部に水分の膜を作りだす他に、皮脂と混ざり合うことで肌のバリア機能を保つという効果があります。
皮膚の保湿作用

尿素は水分と結合することにより、皮膚の保湿作用を発揮します。
尿素は体の内側にある水分を角質層に届かせて、皮膚に潤いを与えます。
例えば、尿素配合のハンドクリームを手に塗ると皮膚に浸透した尿素に体の中の水分が引き寄せられて手の表面に集まってきます。
その結果、手の表面の水分量が増える仕組みです。
これはちょうど、磁石のS極とN極を近づけると引き寄せあってくっつくのと良く似ています。
角質軟化作用

尿素の濃度が高くなると得られる効果が角質軟化作用です。
お肌の角質層はケラチンと呼ばれるタンパク質でできていますが、尿素はこの硬くなったお肌の角質をやわらかくする働きがあります。
例えば、冬場になるとかかとが硬くなって割れてしまう方の場合は、お風呂上がりや寝る前などに小まめに尿素濃度の高いクリームを塗っておくと徐々に硬くなった角質が柔らかくなってきます。
尿素配合クリームの注意点

前述の通り、尿素は濃度が高い場合には、角質を溶かして柔らかくする働きがあるので「かかとのひび割れ」などゴワゴワした箇所を柔らかくするのにとても適しています。
ただ、そうでない箇所に使用するとかえって皮膚を傷つけてしまいます。
ですので、保湿作用が目的で、角質が硬くなっていない箇所に使用する場合は尿素濃度が低いものを(3%以下)、角質軟化作用が目的の場合は尿素濃度が高めのもの(10%〜20%)のものを選びます。
さらに、尿素濃度10%と20%の商品との違いは角質除去作用の有無です。

かなり角質が硬くなっている場合は、一般用医薬品最大量である20%配合の商品がおすすめです。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は尿素について調べてみました。
尿素の働きは
- 保湿作用
- 角質軟化作用
の2つがあり、それぞれの目的によって濃度が異なります。
肘や膝、かかとのひび割れなど、硬くてガサガサと荒れている場合には高濃度のものを選びます。
一方で、乾燥していてもお肌がやわらかい場合は低濃度のものを選びます。
また、尿素高濃度配合の商品によって硬くなったガサガサのお肌が一度改善されたら、低濃度の商品やセラミド、ヒアルロン酸配合のものへ切り替えるのがおすすめです。
尿素の成分の効果を理解して、適切に手やかかとの乾燥をケアしていきましょう!
コメント