【試験対策】各漢方処方製剤の特徴まとめ

登録販売者試験対策
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みなさん こんにちは😊

登録販売者Naviの中村です。

登録販売者試験で「どの漢方処方製剤かを選択肢の中から選ぶ問題」がよく出題されます。

「でも、漢方の説明文は長くて覚えられない…」

「よく似た説明文もあって見分けがつかない…」

とお悩みの受験生も多いのではないでしょうか?

そこで今回は登録販売者試験問題作成の手引きに記載されている漢方処方製剤の特徴をまとめました!

どんなに説明文が長くても、特徴さえ覚えていれば、正解を選べるはずだからです!

つまり、漢方処方製剤を選ぶ問題の攻略方法は

  1. その漢方処方製剤の名前
  2. 何に用いる薬かなのか
  3. その製剤にしかない特徴

をしっかりと覚えることです!

そして、太字部分が特徴です。

是非、覚えて得点力アップにお役立てください!

【必見】登録販売者試験「漢方薬」特徴まとめ
https://youtu.be/0zoIEY00aAQ

  1. 登録販売者試験に出る漢方処方製剤の特徴まとめ
    1. 肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤
    2. ① 防已黄耆湯
    3. ② 防風通聖散
    4. ③ 大柴胡湯
  2. 風邪に用いる漢方処方製剤
    1. ① 葛根湯
    2. ② 麻黄湯
    3. ③ 小柴胡湯(ショウサイコトウ)
    4. ④ 柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)
    5. ⑤ 小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
    6. ⑥ 桂枝湯(ケイシトウ)
    7. ⑦ 香蘇散(コウソサン)
    8. 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)・麦門冬湯(バクモンドクトウ)
  3. 鎮痛に用いられる漢方処方製剤
    1. ① 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)
    2. ② 桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)
    3. ③ 薏苡仁湯(ヨクイニントウ)
    4. ④ 麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)
    5. ④ 疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)
    6. ⑤ 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
    7. ⑥ 釣藤散(チョウトウサン)
    8. ⑦ 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
  4. 神経痛・不眠などに用いられる漢方処方製剤
    1. ① 酸棗仁湯(サンソウニントウ)
    2. ② 加味帰脾湯(カミキヒトウ)
    3. ③ 抑肝散(ヨクカンサン)
    4. ④ 抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
    5. ⑤ 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
    6. ⑥ 桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)
  5. 小児の疳を適応症とする主な漢方処方製剤
    1. ① 小健中湯(ショウケンチュウトウ)
  6. 呼吸器の改善を期待して用いられる漢方処方製剤
    1. ① 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
    2. ② 柴朴湯(サイボクトウ)
    3. ③ 麦門冬湯(バクモンドウトウ)
    4. ④ 五虎湯(ゴコトウ)
    5. ⑤ 麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)
    6. ⑥ 神秘湯(シンピトウ)
    7. ⑦ 甘草湯(カンゾウトウ)
  7. 口腔・含嗽薬(うがい薬)に用いられる漢方製剤
    1. ① 桔梗湯(キキョウトウ)
    2. ② 駆風解毒湯(クフウゲドクトウ)駆風解毒散(クフウゲドクサン)
    3. ③ 白虎加人参湯(ビャツコカニンジントウ
    4. ④ 響声破笛丸(キョウセイハテキガン)
  8. 胃の不調に用いられる漢方処方製剤
    1. ① 安中散(アンチュウサン)
    2. ② 人参湯(ニンジントウ)
    3. ③ 平胃散(ヘイイサン)
    4. ④ 六君子湯(リックンシトウ)
  9. 腸の不調に用いられる漢方処方製剤
    1. ① 桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)
    2. ② 大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)
    3. ③ 大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)
    4. ④ 麻子仁丸(マシニンガン)
  10. 強心作用を期待して用いられる漢方処方製剤
    1. ① 苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
  11. 循環器用薬の漢方処方製剤
    1. ① 三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)
    2. ② 七物降下湯(シチモツコウカトウ)
  12. 内用痔疾用薬に用いられる漢方処方製剤
    1. ① 乙字湯(オツジトウ)
    2. ② 芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)
  13. 尿量増加を期待して用いる漢方処方製剤
    1. ① 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)
    2. ② 八味地黄丸(ハチミヂオウガン)
    3. ③ 六味丸(ロクミガン)
    4. ④ 猪苓湯(チョレイトウ)
    5. ⑤ 竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)
  14. 婦人科用薬の漢方処方製剤
    1. ① 温経湯(ウンケイトウ)
    2. ② 温清飲(ウンセイイン)
    3. ③ 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
    4. ④ 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
    5. ⑤ 五積散(ゴシャクサン)
    6. ⑥ 柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)
    7. ⑦ 四物湯(シモツモウ)
    8. ⑧ 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
    9. ⑨ 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  15. アレルギー症状に用いる漢方処方製剤
    1. ① 茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)
    2. ② 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
    3. ③ 消風散(ショウフウサン)
    4. ④ 当帰飲子(トウキインシ)
    5. ⑤ 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
    6. ⑥ 葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
    7. ⑦ 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
    8. ⑧ 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
  16. 痒み、腫れ、痛みに用いる漢方処方製剤
    1. ① 紫雲膏(シウンコウ)
    2. ② 中黄膏(チュウオウコウ)
  17. 滋養強壮に用いられる漢方処方製剤
    1. ① 十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)
    2. ② 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
  18. その他
    1. 黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)
  19. まとめ
    1. 肥満に用いる薬
    2. かぜに用いる薬
    3. 鎮痛に用いる薬
    4. 不眠などに用いる薬
    5. 小児の疳
    6. 呼吸器の薬
    7. 口腔に用いる薬
    8. 胃に用いる薬
    9. 腸の薬
    10. 強心薬
    11. 循環器系
    12. 痔の薬
    13. 尿量増加
    14. 婦人薬
    15. アレルギー薬
    16. 痒み、腫れ、痛みに用いる薬
    17. 滋養強壮に用いられる漢方薬
    18. その他
    19. まとめ
    20. 漢方薬特徴まとめチェックテスト(全73問)
    21. 関連

登録販売者試験に出る漢方処方製剤の特徴まとめ

肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤

① 防已黄耆湯

体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水太り)に適すとされる。

② 防風通聖散

体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)湿疹・皮膚炎、ふきでものにきび)、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

③ 大柴胡湯

体力が充実して、脇腹からみぞおちにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、 常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛 を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。構成生薬としてダイオウを含む。

風邪に用いる漢方処方製剤

① 葛根湯

体力中等度以上のものの感冒の初期汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに適すとされるが、体の虚弱な体力の衰えている人、体 の弱い人)胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れ やすい等、不向きとされます。

② 麻黄湯

体力充実して風邪のひき始めで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛くて汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、 胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされます。

漢方処方製剤としての麻黄湯では、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要があります。

③ 小柴胡湯(ショウサイコトウ)

体力中等度でときに脇腹やみぞおちにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの食欲不振、吐きけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状に適すとされ、また、胃腸虚弱、胃炎のような消化器症状にも用いられる。

小柴胡湯については、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要があります。

④ 柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)

体力中等度又はやや虚弱で多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐き気などのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされる。

小柴胡湯、柴胡桂枝湯ともに、まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られており、その他の副作用として、膀胱炎の様な症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感)が現れることもある。

⑤ 小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

体力又はやや虚弱でうすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の 衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

⑥ 桂枝湯(ケイシトウ)

桂枝湯は、体力虚弱で汗が出るものも風邪の初期に適すとされる。

⑦ 香蘇散(コウソサン)

体力虚弱で神経過敏で気分がすぐれず胃腸が弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされます。

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)・麦門冬湯(バクモンドクトウ)

これら漢方処方に関する出題については咳止め・痰を出やすくする薬を参照してください。

鎮痛に用いられる漢方処方製剤

① 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

体力に関わらず使用でき筋肉の急激な痙攣を伴う痛みのあるもののこむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされます。

ただし、症状があるときのみの服用にとどめ、連用は避ける。

② 桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)

桂枝加苓朮附湯は体力虚弱で、手足が冷えてこわばり、尿量が少なく、ときに動悸、めまい、筋肉のぴくつきがあるものの関節痛、神経痛に適すとされるが、動悸、のぼせ、ほてり等の副作用が現れやすい等の理由で、のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人には不向きとされる。

③ 薏苡仁湯(ヨクイニントウ)

体力中等度なものの関節や筋肉の腫れや痛みがあるものの関節痛、筋肉痛、神経痛に適す。

④ 麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)

体力中等度で関節痛、神経痛、筋肉痛、イボ手足の荒れ(手足の湿疹・皮膚炎)に適すとされるが、どちらも悪心・嘔吐、胃部不快感等の副作用が現れやすい等の理由で、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、 発汗傾向の著しい人には不向きとされる。

④ 疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)

体力中等度で痛みがあり、ときにしびれがあるものの関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛に適すとされるが、消化器系の副作用(食欲不振、胃部不快感等)が現れやすい等の理由で、胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされる。

⑤ 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)

体力中等度以下で手足の冷えを感じ、下肢の冷えが強く、下肢又は下腹部が痛くなりやすいものの冷え症、腰痛、下腹部痛、頭痛、しもやけ、下痢、月経痛に適すとされるが、胃腸の弱い人には不向きとされる。

⑥ 釣藤散(チョウトウサン)

体力中等度で慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの慢性頭痛、神経症、 高血圧の傾向にあるものに適すとされるが、消化器系の副作用(食欲不振、胃部不快感等) が現れやすい等の理由で、胃腸虚弱で冷え症の人には不向きとされる。

⑦ 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)

体力中等度以下で手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛、頭痛に伴う吐きけ・嘔吐、シャックリに適すとされる。

神経痛・不眠などに用いられる漢方処方製剤

① 酸棗仁湯(サンソウニントウ)

体力中等度以下で心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの不眠症、神経症に適すとされるが、胃腸が弱い人、下痢又は下痢傾向のある人では、消化器系の副作用(悪心、食欲不振、胃部不快感等)が現れやすい等、不向きとされる。

② 加味帰脾湯(カミキヒトウ)

体力中等度以下で心身が疲れ血色が悪いときに熱感を伴うものの貧血、不眠症、精神不安、神経症に適すとされる。

③ 抑肝散(ヨクカンサン)

体力中等度をめやすとして神経がたかぶり、怒りやすいイライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児の疳(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適すとされる。

心不全を引き起こす可能性があるため、動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた場合は直ちに医師の診療を受けるべきである。

☝️怒りやすい、イライラ抑肝散

④ 抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)

体力中等度をめやすとしてやや消化器が弱いものに幅広く用いることができる。神経がたかぶり、怒りやすいイライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児の疳、更年期障害、血の道症、歯ぎしりに適すとされる。

☝️「やや消化器が弱いものの」+「怒りやすい、イライラ」=抑肝散加陳皮半夏

⑤ 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

体力中等度以上で精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う高血圧の随伴症状、神経症、更年期神経症、小児の疳、小児夜なき、便秘に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、瀉下薬(下剤)を服用している人では、腹痛、激しい腹痛を伴う下痢の副作用が現れやすい等、不向きとされている。

⑥ 桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)

体力中等度以下で疲れやすく、興奮しやすいものの神経質、不眠症、小児の疳、小児夜なき、夜尿症、眼精疲労、神経症に適すとされる。

小児の疳を適応症とする主な漢方処方製剤

小児の疳に用いる漢方処方製剤は下記の5つがありますが、No.1〜4は前述の「神経痛・不眠などに用いる漢方処方製剤」にあるので、そちらをご覧ください。

  1. 柴胡加竜骨牡蛎湯
  2. 桂枝加竜骨牡蛎湯
  3. 抑肝散
  4. 抑肝散加陳皮半夏
  5. 小建中湯

① 小健中湯(ショウケンチュウトウ)

体力虚弱で疲労しやすく腹痛があり、血色が優れすぎときに動悸、手足のほてり、冷え、寝汗、鼻血、頻尿及び多尿などを伴うものの小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜泣きに適すとされる

呼吸器の改善を期待して用いられる漢方処方製剤

① 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

体力中等度をめやすとして、幅広く応用できる。気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に適すとされる。

② 柴朴湯(サイボクトウ)

体力中等度で気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、風邪をひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴うものの小児喘息、気管支炎、咳、不安神経症に適すとされるが、むくみの症状のある人等には不向きとされる。

③ 麦門冬湯(バクモンドウトウ)

体力中等度以下で痰が切れにくくときに強く咳きこみ、又は咽頭の乾燥感があるものの空咳、気管支炎、気管支喘喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされるが、水様痰の多い人には不向きとされる。

④ 五虎湯(ゴコトウ)

体力中等度以上で咳が強くでるものの咳、気管支喘息、気管支炎、小児喘息、感冒、時の痛みに適すとされる。

⑤ 麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)

体力中等度あるいはそれ以上で、咳が出て、ときに喉が渇くものの咳、小児喘息、気管支喘喘息、気管支炎、感冒、痔の痛みに適すとされる。

⑥ 神秘湯(シンピトウ)

体力中等度あるいはそれ以上で、咳、喘鳴、息苦しさがあり、痰が少ないものの小児喘喘息、気管支喘喘息、気管支炎に用いられるが、いずれも胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人等には不向きとされる。

⑦ 甘草湯(カンゾウトウ)

構成生薬がカンゾウのみからなる漢方処方製剤で、体力に関わらず使用でき、激しい咳、咽喉痛、口内炎、しわがれ声に、外用では痔・脱肛の痛みに用いられる

口腔・含嗽薬(うがい薬)に用いられる漢方製剤

① 桔梗湯(キキョウトウ)

体力に関わらず使用でき、喉が腫れて痛み、ときに咳がでるものの扁桃炎扁桃周囲炎に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

② 駆風解毒湯(クフウゲドクトウ)駆風解毒散(クフウゲドクサン)

体力に関わらず使用出来、喉が腫れて傷む扁桃炎扁桃周囲炎に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

☝️同じ「扁桃炎、扁桃周囲炎」でも「ときに咳が出るものも」なら桔梗湯、「喉が腫れて傷む」なら駆風解毒湯です!

③ 白虎加人参湯(ビャツコカニンジントウ

体力中等度以上で、熱感と口渇が強いものの喉の渇き、ほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え 症の人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

④ 響声破笛丸(キョウセイハテキガン)

体力に関わらず広く応用できる。しわがれ声咽頭不快に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる

胃の不調に用いられる漢方処方製剤

① 安中散(アンチュウサン)

体力中等度以下で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけやゲップ、食欲不振、吐きけなどを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適するとされる。

② 人参湯(ニンジントウ)

体力虚弱で疲れやすくて手足が冷えやすいものの胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎に適すとされる。

③ 平胃散(ヘイイサン)

体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、ときに吐き気、食後に腹がなって下痢の傾向のある人における食べすぎによる胃のもたれ、急・慢性胃炎、消化不良、食欲不振に適すとされる。

④ 六君子湯(リックンシトウ)

体力中等度以下で胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえて疲れやすく、貧血症で手足が冷えやすいものの胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐に適すとされる。

腸の不調に用いられる漢方処方製剤

① 桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)

体力中等度以下で腹部膨満感のある人のしぶり腹、腹痛、下痢、便秘に適すとされる。

② 大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)

体力に関わらず広く応用され、便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などの症状の緩和に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

また、短期間の使用に限られるものでないが、5〜6日間服用しても症状の改善がみられない場
合には、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるべきである。

③ 大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)

体力中等度以下で下腹部痛があって、便秘しがちなものの月経不順、月経困難、月経痛、便秘、痔疾に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

④ 麻子仁丸(マシニンガン)

体力中等度以下でときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・ 皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔の緩和 に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

強心作用を期待して用いられる漢方処方製剤

① 苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

体力中等度以下でめまいふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの立ちくらみ、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏に適すとされる。

この製剤には、強心作用が期待される生薬は含まれず、主に利尿作用により、水毒(漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在して、その循環が悪いことを意味する)の排出を促すことを主眼とする。

循環器用薬の漢方処方製剤

① 三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)

体力中等度以上でのぼせ気味顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、 体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、だらだら出血が長引いている人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

体力中等度以下で顔色が悪く、疲れやすく、胃腸障害のないものの高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重)に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感等の副作用が現れやすい。

② 七物降下湯(シチモツコウカトウ)

内用痔疾用薬に用いられる漢方処方製剤

① 乙字湯(オツジトウ)

体力中等度以上で大便が固く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下 痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

② 芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)

体力中等度以下で冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常による不正出血・皮下出血に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、 腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

尿量増加を期待して用いる漢方処方製剤

① 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、胃部不快感、腹痛、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

☝️「尿量減少」のみ(「又は多尿」と続かない)なら牛車腎気丸!

② 八味地黄丸(ハチミヂオウガン)

体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、尿漏れに適すとされるが、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要があり、また、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

☝️「尿量減少、又は多尿」+「夜間尿」=八味地黄丸!

③ 六味丸(ロクミガン)

体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒み、夜尿症、しびれに適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

☝️「尿量減少又は多尿」+「夜尿症」=六味丸!

④ 猪苓湯(チョレイトウ)

体力に関わらず、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされる。

⑤ 竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)

体力中等度以上で、下腹部に熱間痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

婦人科用薬の漢方処方製剤

① 温経湯(ウンケイトウ)

体力中等度以下で、手足がほてり、唇が乾くものの月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)更年期障害、不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれに適すとされるが、胃腸の弱い人では、不向きとされる。

② 温清飲(ウンセイイン)

体力中等度で皮膚はカサカサして色つやが悪く、のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人 では胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

③ 加味逍遙散(カミショウヨウサン)

体力中等度以下でのぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症に適すとされるが、胃腸の弱い人では悪心(吐きけ)、嘔吐、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

④ 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

比較的体力がありときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの、月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきびに適すとされるが、体の虚弱な人 (体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きとされる。

☝️婦人薬で「体力があり」は桂枝茯苓丸だけ!

⑤ 五積散(ゴシャクサン)

体力中等度又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎腰痛神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、 胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、不向きとされる。

☝️上記の3つが揃っていればコレ!

⑥ 柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)


体力中等度以下で冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときに寝汗頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎に適すとされる。

⑦ 四物湯(シモツモウ)

体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥色艶の悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の 疲労回復に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い 人、下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとさ れる。

⑧ 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)痔疾、打撲症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しや すい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

⑨ 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前 産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り、低血圧に適すとされるが、胃腸の弱い人では、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

アレルギー症状に用いる漢方処方製剤

① 茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)

体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく便秘するものの便秘するものの蕁麻疹、口内炎、皮膚の痒みに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

② 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

体力中等度なものの皮膚疾患で発赤があり、ときに化膿するものの化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、水虫に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の 衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱い人では不向きとされる。

③ 消風散(ショウフウサン)

体力中等度以上の人の皮膚疾患で、痒みが強くて分泌物が多いときに局所の熱感があるものの湿疹、皮膚炎、蕁麻疹、水虫、あせもに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰え ている人、体の弱い人)胃腸が弱く下痢をしやすい人では、胃部不快感、腹痛等の副作用が 現れやすい等、不向きとされる。

④ 当帰飲子(トウキインシ)

体力中等度で冷え症で、皮膚が乾燥するものの湿疹、皮膚炎(分泌物が少ないものののかゆみ)に適すとされるが、胃腸が弱く下痢をしやすい人では、胃部不快感、腹痛等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

⑤ 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)

体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされるが、胃腸の弱い人では食欲不振、胃部不快感の副作用が 現れやすい等、不向きとされる。

⑥ 葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)

比較的体力があるものの鼻詰まり、蓄膿症、慢性鼻炎に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)胃腸が弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

⑦ 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

体力中等度以上で皮膚の色が浅黒くときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎に適すとされるが、胃腸の弱い人では、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

⑧ 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)

体力中等度以上で濃い鼻水が出てときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)胃腸虚弱で冷え症の人では、胃部不快感等の副作用が現れやすいなど、不向きとされている。

痒み、腫れ、痛みに用いる漢方処方製剤

① 紫雲膏(シウンコウ)

ひびあかぎれしもやけうおのめあせも、ただれ、外傷、火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷、湿疹・皮膚炎に適すとされるが、湿潤、ただれ、火傷又は外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向きとされる

② 中黄膏(チュウオウコウ)

急性化膿性皮膚疾患の初期、打ち身、捻挫に適すとされるが、湿潤、ただれ、火傷又は外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向きとされる。捻挫、打撲、関節痛、腰痛、筋肉痛、肩こりに用いる貼り薬(パップ剤)とした製品もある。

滋養強壮に用いられる漢方処方製剤

① 十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)

体力虚弱なものの病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血に適すとされるが、胃腸の弱い人では、胃部不快感の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

② 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

体力虚弱で元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠、病後・ 術後の衰弱、食欲不振、寝汗、感冒に適すとされる。

その他

黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)

体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きとされる。

まとめ

肥満に用いる薬

防已黄耆湯→汗のかきやすい、多汗症、水太り

防風通聖散→腹部に皮下脂肪

大柴胡湯→常習便秘

かぜに用いる薬

葛根湯→感冒の初期(汗のかいていない)

麻黄湯→ふしぶしが痛くて

小柴胡湯→下に白苔

柴胡桂枝湯→かぜの中期から後期

小青竜湯→うすい水様の痰

桂枝湯→汗が出るもののかぜの初期

香蘇散→胃腸が弱いもののかぜの初期

鎮痛に用いる薬

芍薬甘草湯→こむら返り

桂枝加朮附湯→ぴくつき

薏苡仁湯→筋肉の腫れや痛み

麻杏薏甘湯→イボ、手足の荒れ

疎経活血湯→体力中等度で痛みがあり、ときにしびれ

当帰四逆加呉茱萸生姜湯→下肢の冷えが強く

釣藤散→慢性頭痛

呉茱萸湯→シャックリ

不眠などに用いる薬

酸棗仁湯→消化器系の副作用

加味帰脾湯→血色が悪い

抑肝散→怒りやすい、イライラ

抑肝散加陳皮半夏→怒りやすい、イライラ+やや消化器が弱いもの

柴胡加竜骨牡蛎湯→動悸、不眠、便秘など〜

桂枝加竜骨牡蛎湯→興奮しやすい

小児の疳

小健中湯→小児夜尿症

呼吸器の薬

半夏厚朴湯→不安神経症

柴朴湯→小児喘息

麦門冬湯→痰が切れにくく、ときに強く咳きこみ

五虎湯→咳が強くでるものの咳

麻杏甘石湯→喉が渇くものの咳

神秘湯→喘鳴

甘草湯→激しい咳

口腔に用いる薬

駆風解毒湯→喉が腫れて傷む扁桃炎、扁桃周囲炎

白虎加人参湯→熱感と口渇

響声破笛丸→しわがれ声、咽頭不快

胃に用いる薬

安中散→ゲップ

人参湯→手足が冷えやすいもの

平胃散→食後に腹がなって

六君子湯→みぞおちがつかえて

腸の薬

桂枝加芍薬湯→しぶり腹

大黄甘草湯→5〜6日間服用しても〜

大黄牡丹皮湯→便秘しがちなものの月経不順

麻子仁丸→便が硬く塊状なもの

強心薬

苓桂朮甘湯→めまい、ふらつきがあり

循環器系

三黄瀉心湯→のぼせ気味で顔面紅潮

七物降下湯→顔色が悪く

痔の薬

乙字湯→痔核(いぼ痔)

芎帰膠艾湯→痔出血

尿量増加

牛車腎気丸→尿量減少(「又は多尿」と続かない)

八味地黄丸→尿量減少又は多尿+夜間尿

六味丸→尿量減少又は多尿+夜尿症

猪苓湯→排尿異常

竜胆瀉肝湯→下腹部に熱間や痛み

婦人薬

温経湯→唇が乾くものの月経不順

温清飲→皮膚はカサカサ

加味逍遙散→のぼせ感があり、肩がこり

桂枝茯苓丸→比較的体力があり(婦人薬で唯一「体力あり」)

五積散→胃腸炎、腰痛、神経痛〜

柴胡桂枝乾姜湯→頭部の発汗

四物湯→皮膚が乾燥、色艶の悪い

桃核承気湯→のぼせて便秘しがちなものの月経不順

当帰芍薬散→動悸などを訴えるものの月経不順

アレルギー薬

茵蔯蒿湯→尿量少なく+便秘

十味敗毒湯→化膿性皮膚疾患(「急性」がつかない)

消風散→痒みが強くて分泌物が多い

当帰飲子→皮膚が乾燥するものの湿疹

清上防風湯→赤鼻(酒さ)

葛根湯加川芎辛夷→体力があるものの鼻詰まり

荊芥連翹湯→皮膚の色が浅黒く

辛夷清肺湯→濃い鼻水

痒み、腫れ、痛みに用いる薬

紫雲膏→ひび、あかぎれ、しもやけ、〜

中黄膏→急性化膿性皮膚疾患

滋養強壮に用いられる漢方薬

十全大補湯→病後・術後の体力低下

補中益気湯→疲れやすいものの虚弱体質

その他

黄蓮解毒湯→顔色赤く

まとめ

いかがでしょうか?

登録販売者試験問題は、厚生労働省が公表している登録販売者試験問題作成の手引きを元に作成されますが、長い説明文を全て完璧に覚えるのは至難の業ですよね。

でも、それぞれの製剤にしかない特徴さえ覚えればちゃんと成果が出来るんです。

ただ、覚えるためには過去問と同じように繰り返し問題を解くことが必要不可欠です。

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