登録販売者資格を取得して、ドラッグストアで働き始めた方の中には、
「せっかく苦労して登録販売者資格を取得したのに、レジや品出しばっかり…」
「これだったら無資格者と何も変わらない」
「薬の相談なんて一度も受けたことがない…」
という方も多いのではないでしょうか?
そうなると、休日や隙間時間を活用しながら頑張って勉強したのに、何だか意味がないように感じるかも知れません😅
でも、それにはちゃんと理由があるんです☝️
そこで、今回は「登録販売者資格になったのに…」となってしまう3つの理由についてお伝えします。
「登録販売者資格を取ったのに」となる3つの理由
① 登録販売者試験に合格しても、一人で医薬品を販売出来ないから

先ず一つ目の理由としては、「登録販売者試験に合格してもすぐに自分1人で医薬品を販売することが出来ない」からです。
登録販売者試験に合格した後、一定の条件をクリアするまでは「登録販売者(研修中)」という扱いになります。
そして、その一定条件をクリアして「登録販売者(実務経験者)」になると、1人で医薬品を販売することが出来るんです。
もし、登録販売者(研修中)の方が、医薬品を販売するためには、薬剤師、又は登録販売者(実務経験者)がそばについてないといけません。
そうなると、よほど暇な時でない限り、新人登録販売者(研修中)の方に医薬品の販売をする機会が巡ってこないということになりますよね。
② 先ずはレジや品出しなどを覚えて欲しいから

ドラッグストアとしては、新人スタッフに医薬品の販売よりも先に、先ずは店舗運営する上で必要不可欠な「レジ」や「品出し」などを覚えて欲しいと考えています。
これが、しばらくは医薬品販売の機会が巡ってこない2つ目の理由です。
先ずはそれらを覚えて、徐々に医薬品販売の経験を積んでもらいたいと考えるドラッグストアが多いと言えます。
③ そもそもお客様に医薬品の相談を受ける機会がそれほど多くない

3つ目の理由は「そもそもお客様から医薬品の相談を受ける機会がそれほど多くない」からです。
みなさん、ドラッグストアというと「薬屋さん」というイメージがあるかと思います。
しかし、ほとんどのドラッグストアの一般用医薬品の売り上げ構成比は20%ほどで、残りの80%は食品や雑貨、日用品などが占めています。
また、その売り上げ構成比20%の全てのお客様が店員さんに相談するわけではありません。
どちらかと言うと、「いつもと同じ医薬品を購入する方」や、「すでに購入する商品が決まっている方」の方が多いのではないでしょうか。
ですので、現実的に、お店としてお客様から医薬品の相談を受ける機会がそれほど多くありません。
その「多くない相談」を先輩登録販売者や薬剤師が対応していくので、新人登録販売者には中々、販売機会が巡ってこないんですね😭
※)「ディスカウントドラッグ コスモス」などは一般用医薬品の構成比は20%未満なのに対して、食品の売り上げ構成比が50%を超えています。
(補足)そもそも医薬品の相談を受ける機会が多いと誤解している

これは理由と言えないかも知れませんが、登録販売者試験合格に向けて、ほとんどの受験生は通信講座や市販のテキストを利用しています。
それらの冒頭部分には、ほとんどの場合、前述の「3つの理由」は記載されていません。
どちらかと言えば「登録販売者になれば、医薬品の販売(相談)をどんどんするんだ」と思わされるような内容が書かれています。
そこで誤解を生じるのが、登録販売者として働き始めた後、多くの方がギャップを感じる理由です。
ただ、通信講座や市販のテキストに書かれている内容も間違ってはいません。
ですが、「実際に登録販売者試験に合格して、ドラッグストアで働き始めても、店舗運営上の理由や一定の期間は登録販売者(研修中)であることから、医薬品販売に携わる機会はそれほど多くありません」と付け加えておけば良いと思います。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「登録販売者になったのに、医薬品販売の機会がない3つの理由」をお伝えしました。
登録販売者の本来の仕事の一つは「医薬品の販売」です。(受診勧奨なども大事な仕事の一つです😊)
ただ、ドラッグストアは薬屋さんではなく、「医薬品も売っているお店」というのが実情です。
しかも、先輩や薬剤師がいれば、新人登録販売者に販売機会がまわってきません。
さらに、そもそも店員さんに相談するお客様は、それほどありません。
また、通信講座や市販のテキストの影響で、「登録販売者になれば、医薬品を販売する機会がたくさんある(むしろ、仕事のメインがそれ?)と思う方が多いでしょう。
そんなギャップにがっかりする方も少なくありませんが、それが現実です。
ですが、登録販売者は楽しい職業なのに変わりはありません。
受験生のみなさんも登録販売者試験に合格したら、是非、資格を活かして働いてみませんか?

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