みなさん こんにちは😊
ところで、みなさんご存知の通り、登録販売者試験の問題は厚生労働省から公表される「試験問題作成の手引き」を元に、各都道府県又はブロックの担当者が作成しています。
登録販売者試験問題は設問形式に違いはあっても、基本的に説明文を読んで、正誤の判断が正しく出来るかを試すものです。
説明文のパターンは主に
- 主語が入れ替っている(全く違うものの説明になっている)
- 数字が異なる(年齢や量など)
- 文章の一部が誤っている(真逆になっている)
などです。
ですので、各説明文のポイントになる部分をしっかりと覚えることが得点力アップに直結します。
そこで、こちらの解説ではそのポイントとなると部分を黒い太字にしています。
また「このような問題が出るかも?」という予想と注意点をポイントごとに添えています。
さらに、実際に各成分を配合している商品とそのサイトも併せて載せています。
この解説がみなさんの理解度=合格力アップのお役に立てれば幸いです。
また、みなさんの理解がより深まるように、この記事の内容をYouTubeチャンネル「登録販売者Navi」でも配信する予定ですので、是非、そちらもご活用ください😊
目薬の成分とその働き
目薬の種類

一般的に自覚される「目の不調」としては、目の疲れやかすみ、かゆみなどがあります。
目薬は、これらの症状の緩和を目的として使用され、大きく分けると「点眼薬」「洗眼薬」「コンタクトレンズ装着液」の3つがあります。
洗眼薬は小林製薬の「アイボン」などの、目を洗うための製品です。
【アイボン洗眼薬】

コンタクトレンズ装着液は「ソフコンプラス」などの製品です。
【ソフコンプラス】

点眼薬
点眼薬はその配合成分から、以下の5つに分類されます。
- 人工涙液
- 一般点眼薬
- アレルギー用点眼薬
- 抗菌性点眼薬
- 洗眼薬
【1】人工涙液

人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられます。
差し心地も涙とほぼ同じで、刺激はありません。
【製品例】

【2】一般用点眼薬
一般点眼薬は、目の疲れやかゆみ、結膜充血などの症状を抑える成分が配合されています。
【製品例】

【3】アレルギー用点眼薬

アレルギー用点眼薬は、花粉、ハウスダストなどのアレルゲンによる目のアレルギー症状(流涙・目のかゆみ・結膜充血など)の緩和を目的とし、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合されています。

【4】抗菌性点眼薬
抗菌性点眼薬には、抗菌成分が配合され、結膜炎
(はやり目)やものもらい、眼瞼炎(まぶたのただれ)などに用いられます。

【5】洗眼薬
洗眼薬は、目の洗浄や眼病予防(水泳の後、埃 や汗が目に入った時など)に用いられるもので、主な配合成分として涙液成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分などが用いられます。
製品例

点眼方法における2つの注意点

【1】点眼薬は、結膜嚢に使用するものであるため、通常、無菌的に製造されています。
ですので、点眼の際に容器の先端がまぶたや、まつげに触れると、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因になるので触れないように注意しましょう。
【2】1滴の薬液の量は「約50μL 」であるのに対して、結膜嚢の容積は「30μL 」程度なので、一滴で充分な量を指すことが出来ます。
何滴も指すと、むしろ薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されて、副作用を起こしやすくなります。
点眼後は、しばらく眼瞼(まぶた)を閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らせます。
その際、目頭を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされています。
保管及び取り扱い上の2つの注意点

【1】別の人が使用している点眼薬は、容器の先端がまつげに触れている可能性があるので、共用は避けましょう。
【2】点眼薬の容器に記載されている使用期限は、未開封の状態におけるもので、容器が開封されてから長期間を経過した製品は、使用を避けましょう。
コンタクトレンズ使用時の2つの注意点

【1】コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されてない限り行いません。
【2】ソフトコンタクトレンズは水分を含みやすく、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラオキシ安息香酸ナトリウムなど)などの配合成分がレンズに吸着されて、角膜に障害を引き起こす原因となる恐れがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品がほとんどです。
ただし、1回使い切りタイプとして防腐剤を含まない製品では、ソフトコンタクトレンズ装着時にも使用できるものがあります。
目薬の2つの副作用

【1】局所性の副作用として、「目の充血や目のかゆみ、腫れ」があらわれることがあります。
これらの副作用は、点眼薬が原因かどうか区別しにくい場合があり、点眼用薬を一定期間使用して症状の改善がみられない場合には、副作用の可能性も疑って、漫然と使用を継続せずに、眼科医に相談するべきです。
【2】全身性の副作用としては、「皮膚に発疹や発赤、かゆみ」などが現れることがあります。
この場合、原因が目薬によるものと思わずに「アレルギー用の内服薬や外用薬を使用されることもあるので、登録販売者としてはお客様に対して、適切な助言を行っていく必要があります。
受診勧奨するべき3つのポイント

【1】OTC医薬品の目薬には、緑内障を改善できるものありません。
そのため、目のかすみが緑内障による症状であった場合には、効果が期待できないばかりでなく、配合されている成分によっては、緑内障の悪化につながる恐れがあります。
【2】目の痛みが激しい場合には、「急性緑内障、角膜潰瘍、眼球への外傷」などを生じている可能性があり、その場合、すみやかに眼科専門医による適切な処置が施されなければ、視力障害などの後遺症を生じる恐れがあります。
【3】目の症状には、「視力の異常、目(眼球、まぶたなど)の外観の変化、目の感覚の変化」などがあります。
これらの症状が現れた時、目そのものが原因であることが多いですが、目以外の病気による可能性もあり、特に脳が原因である場合もあります。
登録販売者としては、お客様に対して、目に何らかの異常が現れたら、早めに医療機関を受診するように説明しましょう。
目薬に使用される成分
【1】目のピント調節機能を改善する成分

パソコンやスマホなどを長時間使用するなど、目を酷使すると、目のピント調節機能が低下することで、ピントが合いにくくなったり、目の疲れやかすみなどを生じやすくなります。
そんな時、ネオスチグミンメチル硫酸塩は目のピント調節機能を改善します。
製品例

【2】目の充血を抑える成分
目の充血は、結膜を通っている血管が拡張しているからです。
その血管を収縮させて目の充血をとる成分が以下の血管収縮剤です。
- ナファゾリン塩酸塩
- ナファゾリン硝酸塩
- エフェドリン塩酸塩
- テトラヒドロゾリン塩酸塩
製品例

血管収縮剤の3つの注意点

【1】緑内障の方は眼圧の上昇を招いて、症状を悪化させたり、その治療を妨げる恐れがあるため、治療を行っている医師又は治療薬の調剤を行った薬剤師に相談しましょう。
【2】血管収縮剤を使用し過ぎると、「異常なまぶしさ」を感じたり、「かえって充血を招く」ことがあります。
【3】長引く目の充血症状は、目以外の異変を含む重大な疾患による可能性も考えられます。
そのため、5〜6日間使用して症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続することなく、眼科医を受診しましょう。
【3】目の炎症を抑える成分

目の炎症を抑える目的として以下の抗炎症成分などが使用されます。
- グリチルリチン酸二カリウム
- ベルベリン塩酸塩
- イプシロン-アミノカプロン酸
- プラノプロフェン
比較的緩和な抗炎症作用を示す成分として、グリチルリチン酸二カリウムが用いられます。
また、ベルベリンによる抗炎症作用を期待して、ベルベリン硫酸塩が配合されている場合もあります。
「イプシロン-アミノカプロン酸」は、炎症の原因となる物質の生成を抑える働きがあります。
「プラノプロフェン」は、非ステロイド性抗炎症成分で、炎症の原因となる物質の生成を抑える働きがあります。
製品例

抗炎症成分の注意点
【1】リゾチーム塩酸塩は卵白を原料としているので、鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある場合には使用を避けましょう。
点眼薬の配合成分として使用された場合であっても、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重大な副作用を生じることがあります。
【4】傷んだ組織を修復する成分
アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)やアラントインは炎症を起こした眼粘膜の組織を修復する働きがあります。
【5】収斂成分
硫酸亜鉛水和物は、眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し、外部の刺激から目を保護する働きがあります。
【6】目の乾きを改善する成分

結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として
- コンドロイチン硫酸ナトリウム
- ヒドロキシプロピルメチルセルロース
- ポリビニルアルコール
- 精製ヒアルロン酸ナトリウム
などが配合されます。
製品例

【7】目のかゆみを抑える成分

1. 抗ヒスタミン成分
花粉症などのアレルギーによる目のかゆみの発生には、ヒスタミンの働きを抑える
- ジフェンヒドラミン塩酸塩
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- ケトチフェンフマル酸塩
などの抗ヒスタミン成分が配合されます。
2. 抗アレルギー成分
抗アレルギー成分のクロモグリク酸ナトリウムは、花粉やハウスダストなどによる目のアレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合されています。
ただし、アレルギー性でない症状には効果がないので、アレルギーによる症状かはっきりしない人(例えば、片方の目だけに症状がみられる、目の症状のみで鼻には症状がみられない、視力の低下を伴う、2日間使用しても改善がみられないなど)は、使用する前に専門家に相談しましょう。
製品例

【8】抗菌作用のある成分

細菌感染による結膜炎や、ものもらい、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として、「スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム」などのサルファ剤が用いられます。
ただし、すべての細菌に対して効果があるというわけではなく、ウイルスや真菌の感染に対する効果はないので、3~4日使用しても症状の改善がみられない場合には、眼科専門医の診療を受けるなどの対応が必要です。
製品例

【9】洗眼するための成分
洗眼薬としては、ホウ酸を用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられます。
また、その抗菌作用による防腐効果を期待して、点眼薬の防腐剤として配合されていることもあります。
製品例


【10】その他の成分とその働き
ビタミンA
ビタミンA(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノールなど)は、視細胞が光を感受する反応に関与していることから、視力調整などの反応を改善する効果を期待して配合されています。
ビタミンB2
ビタミンB2は、角膜の酸素消費能を増加させる働きがあります。
パンテノール
パンテノール、パントテン酸カルシウムなどは、目の調節機能の回復を促す効果を期待して配合されています。
ビタミンB6
ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩など)は、アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与していることから、目の疲れを改善する効果を期待して配合されています。
ビタミンB12
ビタミンB12(シアノコバラミンなど)は、目の調節機能を助ける作用を期待して配合されています。
製品例

ビタミンE
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステルなど)は、末梢の微小循環を促進させることにより、結膜充血、疲れ目などの症状を改善する効果を期待して配合されています。
アミノ酸
アミノ酸成分は新陳代謝を促し、目の疲れを改善する効果を期待して「アスパラギン酸カリウム」「アスパラギン酸マグネウム」「アミノエチルスルホン酸(タウリン)」などが配合されています。
タウリンは目の組織代謝を活発化して目の疲れを改善するアミノ酸の仲間です。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は登録販売者試験 第3章「目薬の成分とその働き、使用方法や保管方法などの注意点」についてまとめました。
登録販売者として、お客様のお悩みにピッタリと合う製品を選ぶためには「成分とその働き」を知っておく必要があります。
また、登録販売者の重要な役割の一つに「使用方法や保管方法などのアドバイス」もあります。
試験合格はもちろんですが、登録販売者として的確な商品選びとアドバイスが出来るように覚えておきましょう!

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