登録販売者試験問題の「汗とアセチルコリン」には要注意

登録販売者試験解説
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みなさん こんにちは。

登録販売者Naviの中村です。

いつもありがとうございます😊

ところで、登録販売者試験問題の中には、引っかかりやすい箇所がいくつかあります。

それの一つが、「汗をかく時に交感神経の末端からアセチルコリンが分泌される」という箇所です。

登録販売者試験受験生のなかにも「交感神経の末端からはノルアドレナリンが分泌されるのに何で?」と思う方も多いはず。

そこで、今回はこの問題を取り上げてみました。

登録販売者試験で無駄な失点を一つでも減らすために、是非、チェックしてくださいね♪

エクリン腺による発汗の時に交感神経からアセチルコリンが分泌される理由とは?

発汗は涙や汗、さらには消化液の分泌と同じく外分泌機能の一つです。

鼻炎薬を服用した時に喉が渇くのも、この「外分泌抑制作用」で鼻水を止めると、同時に唾液の分泌も抑制するためです。

涙や唾液の分泌を支配しているのが副交感神経であるのに対して、汗を出すエクリン腺を支配するのは交感神経です。

その主要な伝達物質が交感神経としては例外的にアセチルコリンなんです。

発汗のメカニズムとは?

人は温熱性発汗(気温や室温が高い時など)の場合は、大脳の視床下部が体温の上昇を感知します。

すると、「汗をかいて体温をさげなさい」という指令を出します。

その指令が、自律神経の一つである交感神経を介して全身に伝わり、交感神経の末端からアセチルコリンという神経伝達物質が分泌されます。

このアセチルコリンが、皮膚組織にある汗腺という汗の分泌気管の受容体にくっつきます。

すると、汗腺は血管から血漿(血球を取り除いた液体)をくみとって汗をつくり、そして皮膚から出すのです。

交感神経なのに何故アセチルコリンなの?

興味深いことに、通常は交感神経の末端から分泌されるのはノルアドレナリンという神経伝達物質です。

しかし、発汗の時だけは例外的にアセチルコリンが分泌されています。

これは、ご存知の通りノルアドレナリンには血管を収縮させる働きがあるからです。

ナファゾリン塩酸塩というアドレナリン作動成分が、目薬に入っているのは、血管を収縮させて目の充血を解消するためです。

また、マキロンなどの殺菌消毒薬に入っているのは血管収縮作用で患部の出血を止めるためです。

でも、血管を収縮させていまうと、逆に血液(血漿)から汗をつくれなくなりますよね。

なので、この時だけは例外的にアセチルコリンが分泌されるんです。

このように私たちの体は、非常に良くできた発汗のメカニズムが働いています。

もし、この点を出題されると引っかかってしまう人は多いと思います。(私の予想では94.4%)

豆知識

前述の通り、涙も汗も元々は血液で、私たちの体の中には存在しません。

なので、よく「失恋して涙が枯れるまで泣いた」も言いますが、そんなことは100%あり得ません。

まとめ

今回は「汗とアセチルコリン」についてまとめてみました。

試験勉強をする中で丸暗記も良いですが、理解すると、より記憶に残ると言われています。

今回の内容は正にその良い例だと思います。

登録販売者試験の中で、分かりにくいと言われる自律神経は「なぜそうなるのか?」を理解することをが不要な失点を防ぐことに繋がります。

登録販売者受験生の方は是非、参考にしてみてくださいね♪

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