登録販売者試験の中でも第3章は
「ちょっと苦手で…」
「得点がなかなか伸びない…」
という方が多いと思います。
そんな方は丸暗記のみに頼っているからかも知れません。
それよりも内容を理解して納得することで更なる得点アップに繋がります!
そこで今回はそんな第3章のポイントを解説します。
是非、今回の記事をご覧頂き、丸暗記→理解→納得」に変えて得点アップしてくださいね。
漢方薬の覚え方

誰かに当てはめる
漢方薬について覚える際には、自分や知人に過去に起きた症状を当てはめるという記憶方法がおすすめです。
例えば、
「こないだお母さんがこむら返りを起こした時に芍薬甘草湯を飲めばよかったのか。芍薬甘草湯には痙攣を抑える効果があるんだし」
「こないだお父さんが風邪をひいた時に、ふしぶしが痛かったから麻黄湯を服めば良かった〜」
「お母さんみたいな慢性頭痛ならチョウトウサンがいいんだ」
「咳がひどい弟は五虎湯だね」
という覚え方です。
試験に出る全ての漢方薬について、架空の人でも良いので誰かに当てはめるとイメージが湧きます。
キーワードを絞る
また効能効果をそのまま覚えるのではなく「キーワードを絞る」ことで効率良く覚えましょう
【例】 麦門冬湯
「体力中等度以下で痰が切れにくくときに強く咳こみ又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされるが、水様痰の多い人には不向きとされる」
【絞る】
「中(体力中等の意味)咽頭の乾燥感、咳」
これを中々覚えられない漢方薬だけやってみるのもおすすめします。
三大生薬
カンゾウ(甘草)

痛みをやわらげる働きがあるので喉の痛みや咳、胃痛にも適しています
グリチルリチン酸と同じような作用(抗炎症作用)があり漢方の約7割近くに配合されています
カンゾウは胃粘膜保護作用があるので加えればお腹に優しくなります
風邪薬や胃薬、鎮痛剤など様々な薬に入っているのはそのためです
マオウ(麻黄)

ぜんそくや気管支炎等の症状をやわらげます
加えて風邪の諸症状の緩和やむくみを予防する作用もあります
麻黄湯はかぜのひき始めで寒気がして発熱、頭痛があり体のふしぶしが痛い場合に適す
エフェドリンの原材料です
ダイオウ(大黄)

便秘や腹痛、利尿異常、黄疸などの緩和に用いられます
大黄の根にはセンノシドという物質が含まれて、このセンノシドは大腸の蠕動運動を促す働きがあります(いわゆる瀉下作用のこと)
ドラッグストアでよく売られている便秘薬「センナ」はこの大黄から抽出した成分です。
漢方薬・生薬あれこれ
漢方薬は入れ換え問題に引っかからないために、それにしかない効能を覚えておきましょう
※)太字の部分が他の漢方薬と見分ける特徴です
▪️ロクジョウ(鹿茸)は雄鹿の幼角を用いた生薬で強心(3日で1cm伸びる)があります。
ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌で香水(ムスク)にも使われ男性ホルモンと似た働きをします。
牛黄は牛の結石で千頭に一頭たまたま出来る高貴生薬です。
小青竜湯は主にアレルギー性鼻炎。
安中散は痩せ型で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛がある人の神経性胃炎・胃アトニーに適する。
柴胡桂枝湯は主に風邪の中期〜後期。
葛根湯は主に汗をかいていない人の風邪(風邪のひきはじめなのはこのためです)
半夏厚朴湯は主にのどのつかえ感があるときの咳。
香蘇散は主に虚弱体質で胃腸が弱い人の風邪の初期などに用いられる。
防已は鎮痛、尿量増加(利尿)等の作用を期待して用いられる。
六君子湯は胃腸が弱く、食欲が無く、みぞおちがつかえ、貧血症で手足の冷える人の胃の諸症状に適す。
オツジトウは痔。
チョレイトウは膀胱炎に効く。
※)卓球の張本選手はチョレイだから膀胱炎?
十味敗毒湯は化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹、急性湿疹、水虫などに用いる。
三黄瀉心湯は高血圧に伴う諸症状、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適する。
八味地黄丸は排尿困難、頻尿、むくみ等の症状に適する。
加味逍遙散は冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症に効く。
桔梗湯は咳や痰に用いられる。
芍薬は鎮痛鎮痙作用、鎮静作用を示し内臓の痛みにも用いられる。
漢方薬まとめはこちら
生薬(強心薬)
- ゴオウ
- センソ
- ジャコウ
- レイヨウカク

ゴオウ(牛黄)は千頭の牛のうち一頭しか含まれない牛の結石で高貴生薬と言われ解熱作用もあります
センソはシナヒキガエルの分泌物で、レイヨウカクは鹿の角です
センソ・ゴオウ・レイヨウカクは動悸・息切れ・気付けに効く救心に入っています
ジャコウは雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(こうのう/ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥したもので香水(ムスク)の原料としても有名です
生薬

- ブクリョウ
- ケイヒ
- オウバク
- カンゾウ
ブクリョウは利尿作用、抗潰瘍、血糖降下、血液凝固抑制作用のほか、免疫増強作用などが知られていてドリンク剤にも配合されています
ケイヒ(桂皮)はシナモンのことで料理やお菓子作りにも使われています。芳香性健胃生薬としてその独特の香りで胃腸を刺激して活発にします
オウバクはその苦味により健胃作用を有する健胃成分
生薬記事まとめ
同じ成分が色々な症状に使われる

同じ成分が色々な症状に登場することがありますよね
例えばナファゾリン塩酸塩(アドレナリン作動成分)は
- 鼻の薬には鼻粘膜の充血を抑える
- 眼の薬には目の充血を抑える
ために使用されますが、どちらも「血管を収縮させる」働きがあるからです
これと同様に
- 抗コリン薬
- 抗ヒスタミン薬
- アドレナリン作動成分
- 抗炎症作用
は各器官で出ますのでノートに書き出してしっかりと覚えましょう
おすすめの暗記方法
表を書く
自分がちゃんと理解していれば表を書き出せますし、書けなければ理解していない部分が明らかになるからです
記憶は「手と目と口と耳」を使った方が残りやすいと言われていますので「声に出して書いてみる」ことをおすすめします
また「ちゃんと書けるかな?」と緊張しながら書く方がなんとなく書くよりも緊張感が高まるので良いですよ
人に教える(アウトプット)
1番おすすめなのはこの方法です!
人に教えるには自分がよく理解していないと教えられないからです
よくSNSにイラストや語呂合わせなど、自分の覚え方を投稿している人がいますがそうすることで記憶が定着します
小児(15才未満)が服める解熱鎮痛剤は?
- アスピリン
- イブプロフェン
- ザザピリン
- エテンザミド(水疱・インフルエンザの時)
- サリチル酸アミド(水疱・インフルエンザの時)
上の3成分は15歳未満は服めません
下の2成分は条件付きで服めます
小児(15歳未満)が特別な条件なく服める解熱鎮痛剤がアセトアミノフェンなのには理由があります
その理由とは
「アスピリンがよく効くけど、胃に負担が掛かるし…」
ということで、アスピリンに改良を加えて開発されたのがアセトアミノフェンなので安全性が高いのは当然なんです!
ちなみにアセトアミノフェンは小児用バファリンにも入っていて一才から服めます
またアスピリンには血液を凝固しにくくさせる作用があり、医療用医薬品で血液の抗凝固剤としても使用されています。
依存性がある成分は怖い!

依存性がある成分
- コデインリン酸塩
- ジヒドロコデインリン酸塩
- プソイドエフェドリン塩酸塩
- プロモバレリル尿素
- メチルエフェドリン塩酸塩が
- 麻黄
コデインはコカインと名前が似ていることから分かるように麻薬性です
麻黄から抽出した成分がエフェドリンです
痛みや熱が発生するメカニズム
痛みや発熱が起きる原因は体内でプロスタグランジンが過剰産出されるからです
解熱鎮痛薬はそのプロスタグランジンの産出を抑える働きがあるので痛みや熱が治まるんです
風邪薬に入っている主な成分

- 解熱鎮痛剤
- 抗ヒスタミン薬
- 抗コリン薬
- 鎮咳剤
- 去痰剤
- 抗炎症成分
- 胃粘膜保護成分
- ビタミン(B1・B2・Cなど)
解説
・解熱鎮痛剤は熱を下げるため
・抗ヒスタミン薬・抗コリン薬はくしゃみ・鼻水を抑えるため
・鎮咳剤は咳を鎮めるため
・去痰剤は痰を切るため
・抗炎症成分は喉や鼻粘膜、胃などの粘膜の腫れを抑えるため(抗炎症作用)
・消炎作用のリゾチーム塩酸塩は卵白から作るので鶏卵アレルギーのある人服めません
・ビタミンB群が入っているのは発熱時に体内でビタミンB群がどんどん消耗するからです
風邪をひいた時に体温が上がるのは体内でブドウ糖をどんどん燃やしているからです(機関車に薪をどんどんくべているような感じです)

この時、ブドウ糖を燃やすためにはビタミンB群(特にB1)が必要不可欠なのでビタミンB群もがどんどん消耗します
ビタミンB群が不足による体力低下を防ぐためにビタミンB群を配合しています
※ドリンク剤にビタミンB1・B2・が入っているのはそれを補うためですよね
・ビタミンCは抵抗力アップのためです。
解熱鎮痛剤に使われている成分

- アセトアミノフェン
- エテンザミド
- アスピリン
- イブプロフェン
- ザザピリン
- サリチルアミド
- イソプロピルアンチピリン
解説
① 実はアセトアミノフェンとアスピリンはきょうだいのようなものです
と言うのも、元々
「アスピリン(アセチルサリチル酸)はよく効くんだけど胃腸障害があるから…」
と言われていました
そこで少し改良して安全性を高めたのがアセトアミノフェンだからです
② アスピリン(アセチルサリチル酸)は胃に負担がかかるので15才以上の成人向けであっても、胃粘膜保護成分を一緒に配合しないと販売出来ません
バファリンのCMで「半分は優しさで出来てます」と言っている優しさとはこの胃粘膜保護成分のことです
③ イブプロフェンは「エスタックEVE」や「イヴクイック」などに使用されています
イブプロフェンは「消炎鎮痛剤」で炎症を鎮める働きがあるくらいなので胃の負担はほとんどありません
なので「バファリン(アスピリン)を服むと頭痛は治るけどお腹の調子が悪くなる…」という方でもEVEなら大丈夫なのはこのためです
④ イソプロピルアンチピリンだけはこの中で唯一のピリン系です
⑤ アセトアミノフェンとエテンザミド・カフェインの3つを配合した処方をその頭文字をとってACE処方と呼びます
⑥ エテンザミドは他の解熱鎮痛成分に比べて痛みの「伝わりを抑える」働きが優位なので、そうした作用の違いから他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い成分なんです
⑦ 鎮痛剤は痛みの原因のプロスタグランジンの産生を抑える作用がある。
語呂合わせ
「浅い餌は15歳までお預け」というものがあります
これは、15歳未満には処方できない成分の組み合わせです
- アスピリン
- サザリピン
- イブプロフェン
- エテンザミド
- サリチルアミド
の頭文字をとったものです
アスピリン
アスピリンに関する問題は頻出でアスピリン喘息や胃腸障害といった副作用やライ症候群についてもしっかり頭に入れておきましょう
ライ症候群はインフルエンザや水痘などのウイルス感染後にアスピリンなどを服用している小児等に起こる肝臓の脂肪沈着を伴う重篤な急性脳症のことです
ポイント
- アスピリンはライ症候群
- イブプロフェンは消炎症作用もあるので胃腸への影響が少ない
- イソプロピルアンチピリンが唯一のピリン系解熱成分
抗炎症成分

- グリチルリチン酸
- ブロメライン
- セミアルカリプロディナーゼ
- トラネキサム酸
- アズレン
- グリチルリチン酸二カリウム
解説
・グリチルリチン酸は生薬の甘草から抽出しています
・グリチルリチン酸は大量に摂取すると偽アルドステロン症を生じるおそれがある
・抗炎症成分は喉や胃粘膜、鼻の粘膜、目、皮膚、歯茎など体のあらゆる所に起こる炎症を抑える目的で入っているので色々な薬に使われています
・よく歯磨き粉のテレビCMで「トラネキサム酸配合!」と言ってます
アドレナリン作動成分

- エフェドリン
- プソイドエフェドリン
- 麻黄
- 塩酸ナファゾリン
解説
アドレナリン作動成分の主な使用目的は
- 血管を収縮させる
- 気管支を拡げる
実は鼻水や涙は初めから鼻水や涙という液体があるわけではなく、必要に応じて血管から滲み出しているんです
※1)ですので涙が枯れることは100%ありません
※2)涙が塩っぱいのはこのためです
・アドレナリン作動成分のナファゾリン塩酸塩が鼻粘膜を通っている血管を収縮させることで鼻粘膜の充血や腫れを和らげます
またアドレナリン作動成分は血管が収縮させるので
- 眼圧上昇(緑内障注意)
- 血圧上昇
- 心拍数増加
などの副作用もでます
またアドレナリン作動成分を内服薬で服む場合、薬の成分は全身を巡るのでどうしても鼻以外の部分にも影響を与えます
よくある副作用が口渇です
そんな時にはスプレー式の点鼻薬がおすすめです
スプレー式なら薬剤を鼻に直接噴霧するので副作用も起こりにくいからです
注)〜リンはアドレナリンという文章をよく見ますが必ずしもそうではありません
例)ピリドキサールリン酸塩は「リン」とつきますがビタミンB6のことです。
鎮静成分

- ブロムワレリル尿素
解熱鎮痛剤にはよく頭痛の時のイライラを鎮めるために鎮静剤が配合されています
ですが入っていなくても何も問題はありません(バファリンなどには入ってません)
ただ入っていれば販売する時に
「お客様は大丈夫だからと思うんですけど、このお薬は頭痛のイライラにも効きますよ!」
と言えるので売れやすいでしょう
眠気を防ぐ成分
カフェインは脳に軽い興奮状態を引き起こすことで眠気や倦怠感を抑える効果があります
カフェインの副作用
- 胃液の分泌促進による胃腸障害
- 反復摂取により依存性の恐れ
- 利尿作用
- 胎児への移行性
カフェインの摂取量
1回摂取量は200mg・1日摂取量は500mgはよく出るので覚えましょう

抗コリン成分

- ロートエキス(ストッパなど)
- スコポラミン
- ピレンゼピン
- ベラドンナ総アルカロイド
- ヨウ化イソプロパミド
解説
抗コリン薬は副交感神経を亢進させるアセチルコリンの作用を抑えることで消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑えます
ただし、前述のアドレナリン作動成分と同じで内服薬の場合は本来期待していない副作用がでることもあります
例えば、散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり頭痛、眠気、口渇などの副作用が現れることがあります
また排尿困難のある人、心臓病、緑内障の人では症状の悪化をまねくおそれがあります
鼻炎用内服薬では鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑える外分泌抑制、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経の働きを抑えることによって鼻汁分泌やくしゃみを抑えます
※)外分泌抑制作用は簡単に言えば体の中なものを外に出さないようにする働きです
副作用の1つ口渇は喉の粘液が出なくなることで喉が渇きます
ロートエキスは排尿障害や緑内障を悪化させることがあります
抗コリン成分に関する問題は効き目と副作用の両方が出たり、みなさんご存知の入れ換え問題がよく出ますのでしっかりと理解しておきましょう!
抗コリン薬の主な働き
- 外分泌の抑制(粘液・鼻水など)
- 平滑筋(胃や腸、食道などを動かす筋肉で不随意筋)弛緩
- 副交感神経を抑制する
主な副作用
- 眼圧上昇(緑内障に注意)
- 口喝(外分泌抑制作用のため)
- 眠気
- 便秘(腸の筋肉が弛緩するため)
- 排尿障害(尿 閉)
- 散瞳(異常な眩しさ)
- 麻痺性イレウス(腸閉塞)
- 心悸亢進(頻脈)
副交感神経を亢進させる=リラックス状態にするです
リラックス状態の時には以下のような状態になります
- 眠くなる
- 便意を催す
- 食欲が湧く
- 呼吸が穏やかになる
自律神経の働き

自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります
この2つは全く逆の作用を示します
車に例えるとアクセルとブレーキを思ってもらえば良いでしょう
また交感神経は「昼間の神経」とも呼ばれエネルギーを消費する神経です
極端な例としてはスポーツで試合をしている状態を思い浮かべていただければよく理解できます
目は大きく開かれ、心臓の鼓動は高まり、息づかいは荒く、血圧は上昇し、気管支は拡張します
逆に副交感神経は「夜の神経」と言われ、エネルギー(血糖値、脂肪等)は蓄積する方向に働きます
つまり消化機能(消化管の分泌、蠕動等)を促進させます
「夜寝る前に食べると太りやすい」と言われるのはこのためです
みなさんもスポーツの試合中や仕事やで時間に追われている時、試験中などには
- 空腹を感じない
- 便意を催さない
- 尿意を感じない
- 怪我で出血していても痛みをあまり感じない
状態ですよね
しかし、それが終わった途端に
「やばい!漏れそう〜!」
「お腹が減った〜」
「えっいつの間にこんな怪我してたの⁉︎」
なんて経験はありませんか?
これは自律神経のスイッチが交感神経から副交感神経に切り替わったからです
エアコンも暑い時には冷房、寒い時には暖房に切り替えますよね
自律神経もそれと同じで体の中のスイッチを絶えずベストな方に切り替えてくれています
またストレスや激しい気温差などでこの働きが乱れるのが自律神経失調症でだるさや肩こり、不眠など様々な症状が現れます
抗ヒスタミン薬

主な働き
- くしゃみ・鼻水を抑える
- かゆみを抑える
- 眠気(睡眠導入剤)
主な成分
- ジフェンヒドラミン
- クロルフェニラミンマレイン酸塩(マレインクロルフェニラミン)
- メクリジン
- メキタジン
- プロメタジン
- ジメンヒドリナート
副作用
- 眠気
- 眼圧上昇など
ジフェンヒドラミンの副作用は眠気ですが一方で眠りにつけない、眠りが浅い方の睡眠導入剤(ドリエルなど)としても使われています。
脳内の神経伝達物質であるヒスタミン(覚醒物質)がヒスタミン受容体に結合するのをジフェンヒドラミンがブロックするからです。
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられる(ドリエルなど)
抗ヒスタミン薬の副作用・眠気の理由
ヒスタミンは覚醒作用がありますが抗ヒスタミン薬はその覚醒作用を抑えるので眠気がでます
またヒスタミンは体内のアレルギーを引き起こす神経伝達物質のひとつなのでヒスタミンを抑えることでアレルギー症状が抑えられます
アレルギー用薬
- アドレナリン作動成分は交感神経系を刺激して、鼻粘膜の血管を収縮させて鼻水を抑える
- ビタミン成分は皮膚や粘膜の健康維持、回復を助ける成分である
- 抗コリン成分は副交感神経系の働きを抑えることによって鼻汁分泌やくしゃみを抑える成分である
- 抗ヒスタミン成分は、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と結合するのを抑制する成分である(ヒスタミンが受容体に結合するとアレルギー症状が起こる)
クロモグリク酸ナトリウムは肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示すのでアレルギー性鼻炎にのみに効く
ポイント
① 抗ヒスタミン薬はヒスタミンが受容体と結合するのを抑える
② 抗アレルギー薬は肥満細胞からヒスタミンが遊離するのを抑える
③抗アレルギー薬は眠くなりにくい
抗めまい薬

主な働き
内耳の平衡感覚の混乱を鎮める
成分
- ジフェニドール塩酸塩
- ジプロフィリン
- メクリジン
- ジメンヒドリナート
解説
ジプロフィリンは中枢神経を興奮させめまいなどを改善させる
メクリジンは効くのは遅いけど長く効く
ジメンヒドリナートは、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える→地面に延髄と覚えましょう!
ジフェニドール塩酸塩は、排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人ではその症状を悪化させるおそれがある
「ジフェニドールは緑の尿意と覚えましょう
平衡感覚が乱れるとめまいが起こるのでそれを抑えるのが目的です
「内耳」を「外耳」を入れ換える問題が出るかも知れませんので要注意です!
鎮暈薬(乗物酔い防止薬)
- ジフェニドール塩酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す
- スコポラミン臭化水素酸塩水和物(スコポラミン臭化水素酸塩)は、抗ヒスタミン成分であるメクリジン塩酸塩と比べて作用の持続時間が短い
- 乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、ブロムワレリル尿素のような鎮静成分が配合されている場合がある
- アミノ案息香酸エチルは、胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗り物酔いに伴う吐き気を抑える

去痰剤

主な働き
痰の切れをよくする
成分
- ブロムヘキシン
- グアイフェネシン
- グアヤコールスルホン酸
- メチルシステイン塩酸塩
- カルボシステン
- セネガ末
解説
去痰剤は痰を排出するのを促すか、痰の水分を増やすことで痰を柔らかくして出しやすくします
カルボシステインは、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させる
つまり、痰の粘り気をとると柔らかくなるので出やすくなります
グアイフェネシンはパプロン咳止め・ベンザブロックなどに使用されています
鎮咳剤

- コデインリン
- ジヒドロコデインリン酸塩
- ノスカピン
- デキストロメトファン臭化水素酸塩
- チペピジンヒベンズ酸塩
- テオフィリン
- キョウニン
麻薬性の鎮咳成分はコデインリン酸塩とジヒドロコデインリン酸塩の2つのみで、あとは非麻薬性鎮咳成分です
デキストロメトルファン臭化水素酸塩はコンタック・エスエスブロン液・エスタックなどに配合されています
テオフィリンは気管支の平滑筋を弛緩させ咳を鎮めます
主な働き
通常は脳が喉や気管支から刺激を受けたら咳をするように指令を出すことで咳が出ますが中枢性鎮咳剤はその働きを抑えます
なのでこれらの成分を服用すると咳が止まるんです
キョウニンはバラ科のアンズの種子を用いた生薬です
含嗽薬
ポピンヨードが配合された含嗽薬では銀を含有する銀歯や銀の詰め物が変色することがある
濃すぎても薄すぎても効果が下がるので付属のキャップの通りに希釈すること。
脂肪を乳化して消化を助ける

ウルソデオキシコール酸
ウルソデオキシコール酸は脂肪消化酵素リパーゼが消化する前に脂肪を乳化して消化しやすい状態にしてくれます
ちなみに、ウルソはフランス語で熊のことで、日本でも昔から熊の胆(くまのい)という熊の胆嚢を乾燥させたものをお腹の調子が悪い時や二日酔いの時に服んでいました
制酸剤

- 〜アルミニウム(透析に注意)
- 〜マグネシウム(下痢に注意)
- 〜ナトリウム(高血圧に注意)
- 合成ヒドロタルサイト
制酸剤の働き
制酸剤は出過ぎた胃酸を中和します
胃酸はPh1〜2の強酸性で鉄を溶かすほどです
※)PH値は1〜15で、PHの値が真ん中なら中性、それより高くなるとアルカリ性、それより低ければ酸性になります
その胃酸が出過ぎて食道に溢れると胸の辺りが熱く感じるので胸焼けになります
これは食道は胃のように粘膜で保護されていないので胃酸が上がってくると炎症を起こすからです
胃粘膜保護成分

- スクラルファート
- アルジオサキ
- セトラキサート
- メタケイ酸アルミン酸Mg
胃粘膜保護・修復成分が荒れた部分に効果を発揮します
この成分を服用するタイミングは空腹時です
なぜなら、食後に服んだ場合、食べたものと薬が混ざってしまうので効果が発揮されないからです
アルジオサキはアルミニウムを含むので透析治療を受けている方は使用出来ません
鎮静鎮痙成分

- パパペリン
- ロートエキス
2つとも胃の痛みや痙攣を抑えます
パパベリン塩酸塩は平滑筋に直接働き胃腸の痙攣を鎮めます
「パパは胃の痙攣を止めるよ!」
腸管運動抑制成分
- ロペラミド
収斂止瀉成分
- タンニン酸アルブミン
- 次没食子酸ビスマス
- 次硝酸ビスマス
- 塩化ベルベリン
- ロペラミド塩酸塩
アルブミンは牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分なので牛乳アレルギーがある人では使用を避ける
※)リゾチームは卵白なので鶏卵アレルギー
塩化ベルベリンは細菌感染による下痢の症状を鎮める作用がある。
腸内殺菌成分

- クレオソート
- タンニン酸ベルベリン
タンニン酸ベルベリンは腸内でベルべリンとタンニン酸に分解されベルベリンは有害細菌(赤痢菌、チフス菌、ブドウ球菌、病原性大腸菌など)に対して殺菌作用を示し、タンニン酸は収斂作用(組織を引き締める作用)によって腸の粘膜の炎症をとり、腸内の腐敗や異常発酵を抑えて下痢を改善します
また胃腸などの粘膜への刺激が少ないため小児の下痢にも使用されています
クレオソートは正露丸の主成分で強い殺菌力があります
また強い防腐作用があるので昔は線路の枕木をクレオソートに浸していました

今でもホームセンターに行くと木材の防腐剤として缶に入って売られています
戸建てのおうちの玄関に真っ黒い枕木が数本立っていますが、あの枕木もクレオソートに浸してあるので雨風に打たれているのに腐食してませんよね
小腸刺激性瀉下薬

- ヒマシ油
ヒマシ油は腸管の蠕動運動を促して瀉下(しゃげ)作用を現します
大腸刺激性瀉下成分

- センノシド
- ダイオウ
- センナ
センノシドは大黄に含まれる成分で、腸の蠕動運動を亢進させて大腸粘膜を刺激して腸の動きを活発にして排便を促します
センナはアフリカ原産の生薬で腸の蠕動運動を活発にして便秘を改善します
瀉下成分

- マルツエキス
赤ちゃんの便秘薬で、麦芽糖のゆるやかな発酵作用が腸の運動を活発にし、おだやかな排便を促します
水飴状で淡い甘さの飲みやすい薬です
駆虫成分
- サントニン
- カイニン酸
- リン酸ピペラジン
- パモ酸ピルビニウル
駆虫成分の作用
- カイニン酸は回虫に痙攣を起こさせます
- サントニンは回虫の自発運動を抑えます
- リン酸ピペラジンはアセチルコリン伝達を妨げて回虫及び蟯虫の運動筋を麻痺ひさせます
- パモ酸ピルビニウム: 蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑える
マクリ(フジマツモ科のマクリの全藻を基原とする生薬)は、回虫の駆除を目的として配合される

「回虫をマクルよ」
「回虫の自発をサント(ちゃんと)抑えよう!」
パモ酸ピルビニウムは尿や糞便が赤く着色することがあるので「パモさんのうんちは赤いかもよ?」
ステロイド性抗炎症成分
- デキサメタゾン
- プレドニゾロン
- ~ゾン・ゾロン
非ステロイド性抗炎症成分

- インドメタシン
- ケトプロフェン
インドメタシンは患部に直接浸透して炎症を引き起こすプロスタグランジンの産生を阻害することにより炎症を鎮め痛みや腫れに優れた効果を発揮するので痛みを元から止める成分です
ケトプロフェンも皮膚の下にある骨格筋や関節部まで浸透して痛みの元のプロスタグランジンの産生を抑えます
局所麻酔薬
- アミノ安臭酸エチル
- オキセサゼイン
局所麻酔薬は字の通り塗ったところだけ(局所)に効く麻酔薬です
成分が浸透した局所の神経が一時的に麻痺して痛みや痒みを感じにくくさせます
組織修復成分

- アラントイン
アラントインは歯磨き粉、軟膏やクリーム剤などに使用されていて傷ついた皮膚組織や歯茎を修復してくれます
止血成分
- カルバソクロム
- カイカ
- カイカク(痔の止血)
殺菌消毒成分

- アクリノール
- オキシドール
- クロルヘキシジン
- クレゾール
- 〜フェノール
- ベンザルコニウム塩化物
- ヨウ素系殺菌消毒成分
- 塩素系殺菌消毒成分(次亜塩素酸Na等)
抗菌成分
- サルファ剤
サルファ剤には細菌を死滅させる作用があります
抗真菌成分
- ウンデレシ酸
- ピロールニトリン
- ~ゾール
- 〜ゾールの働きは皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げる・細胞膜の透過性を変化させることによってその増殖を抑える作用
- ピロールニトリンの働き:菌の呼吸や代謝を妨げる作用
- ウンデレシ酸の働き:幹部を酸性にすることで発育を抑える
殺虫成分
- ピレスロイド系殺虫細分(~トリン)
- 有機リン系殺虫成分(ジクロボス等)
禁煙補助成分

- ニコチン
ニコチン中毒の方が喫煙する代わりに、ニコチンをガムで噛んだり、パッチなどで皮下から血中に少しだけ入れることで中毒症状を抑えます
そしてその量を少しずつ減らしていき最終的に禁煙補助剤もゼロにします
この時に煙草を吸いたくなるような刺激を受けないように配慮することが禁煙成功の秘訣です
例えば、煙草を吸う人と会わない、灰皿は全て処分する、タバコ屋さんの前は通らないようにするなどです

ビタミン
ビタミンは全部で13種類あります
入れ換え問題がよく出ますのでそれぞれの働きをしっかりと覚えてください


語呂合わせ
脂溶性ビタミンの種類は「ビタミンだけ(DAKE)」
つまりビタミンD・A・K・Eの4つです
アミノ酸

- タウリン(アミノエチルスルホン酸)
- アスパラギン酸
タウリンは牡蠣やタコなどの魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種で肝臓の働きを高めて疲労回復を助けるためにドリンク剤に入っています
ちなみにタウリンは牡蠣の黒いぬるぬるしたところに含まれていて大きめの牡蠣一個で約200mg入っています
またスルメの表面の白い粉もタウリンです

さらにタウリンは網膜の材料でもあるので目薬に入っています
アスパラギン酸は野菜のアスパラガスに多く含まれる成分で疲労回復効果がかあります
尿路殺菌消毒成分
- ウワウルシツツジ
ツツジ科のクマコケモモの葉でウワウルシはラテン語で「熊のブドウ」という意味です
婦人用薬
- 加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌は減少していく
- 閉経の前後には閉経周辺期(更年期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある
- 血の道症とは臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態をいう
- 更年期においては、血の道症の症状に加え、冷え性、腰痛、頭痛、ほてり、のぼせ、立ちくらみ等症状が現れることがある
女性ホルモンの長期連用は血栓症のリスクがあり、また乳癌や脳卒中などの発生確率が高まります
更年期に起こる人によって現れる症状やその長さ、重さが違うのでこれを不定愁訴と呼びます
※ 大豆イソフラボンは女性ホルモンとよく似ていて上記のような副作用がありません(そもそも食品なので)
高コレステロール改善薬

- ビタミンE(善玉コレステロールを増やす)
- ソイステロール(大豆由来)
- パンテチン(ビタミンB5)
- ポリエンホスファチジルコリン(善玉コレステロールを増やす)
コレステロールについて
コレステロールは脂なので水に溶けません
コレステロールは悪者というイメージがありますが、実は80%は自分の肝臓で作っていて食事から摂っているのは残りの20%です
LDLが悪玉コレステロール
HDLが善玉コレステロール
悪玉コレステロールは体の組織にコレステロールを運ぶので多いと良くない。
善玉コレステロールは血管に沈着しているコレステロールを肝臓に持って返って血管の内側を掃除してくれるので、善玉コレステロールが増えれば、結果的に悪玉コレステロールが減って生活習慣病のリスクが下がります
LDL140mg/dl以上,HDL40mg/dl以下、中性脂肪150mg/dl以上のいずれかである状態を高脂血症
外用薬の使用上の注意事項
- 患部を清潔にしてから使用する
- 入浴後に用いると浸透しやすくなるので効果
外皮用薬
- レゾルシン: 細菌や真菌類の蛋白質を変性させ殺菌消毒作用を示す。
- ヒドロコルチゾン: ステロイド剤の抗炎症作用を期待している。
- リドカイン: 局所麻痺成分
- クロタミトン: 皮膚に軽い灼熱感を与えることで痒みを感じにくくさせる効果を期待している
鉄分
紅茶、緑茶、赤ワイン、コーヒーに含まれるタンニン酸を含む飲食物を食事の前後30分に摂取するとタンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなる
逆にビタミンCは鉄分の吸収を助ける
循環器用薬
- ルチン: 高血圧等における毛細血管の補強、強化
- ヘプロニカート: 代謝によりニコチン酸が遊離し、末梢血液循環を改善する
- ユビデカレノン: エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける
ユビデカレノン は別名「コエンザイムQ10」で元々は医療用医薬品でした
酵素の働きを助ける補酵素で常によく動いている場所に多く存在するので心臓と肝臓に多い
ルチンは蕎麦に多く含まれる成分で血管を丈夫にする働きがある
まとめ
第3章は問題数も多く、聞き慣れない成分名や漢方薬の種類の多さに苦戦する人も多いのではないでしょうか?
私はそんな第3章対策として
- 表を作る
- アウトプットする(人に教える)
- 過去問を解きまくる
ことをおすすめします
コツコツと勉強していけば少しずつですが必ず正解率が上がっていきますので頑張りましょう。
また当ブログのカテゴリー登録販売者試験対策は受験生のみなさんの役に立つ内容になっています
興味がある方は是非ご覧になってください。
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