【超重要】薬物乱用とは?どうやって声掛けするの?

登録販売者「実務」
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みなさん こんにちは。

登録販売者Naviの中村です。

いつもありがとうございます😊

ところで、私たち登録販売者が覚えておくことの一つには薬物乱用がありますよね。

お客様の中には自分が薬物乱用している意識が低い方も多いのではないでしょうか?

でも、そんな薬物乱用の恐れのある成分を含んだ製品を販売する際に

「どんな風に声を掛ければ良いの?」

とお悩みの登録販売者の方も多いはず。

そこで、今回は「薬物乱用とは?どうやって声掛けするの?」についてお伝えします。

ぜひ、日々のお仕事の参考にして下さいね♪

【参照】厚生労働省 欄用の恐れのある市販薬の適正使用について

薬物乱用とは?どうやって声掛けするの?

薬物乱用とは?

そもそも薬物乱用とは、どのような症状や状態なのでしょうか?

それには以下のような例が挙げられます。

  • 用法用量以上に、お薬を使用している。
  • お薬を本来の効能効果ではない用い方をしている。(例えば、「気分をスッキリさせる」「緊張を和らげる」「テンションをアップさせる」「不安感を取り去る」など)
  • 複数の医療機関や薬局、通信販売などでお薬を買い込む。
  • お薬を購入するために、多くの時間やお金を使い、仕事や家事、育児などに悪影響が出ている。
  • お薬が切れると「ヤル気が湧かない」「非常にだるい」「焦燥感にかられる」などの状態になる。

このように、用法用量を超えていたり、本来の目的以外で、薬を使うことを薬物乱用と言います。

また、薬物乱用を繰り返しているうちに「やめたくてもやめられない」「減らそうと思っても自分では減らせない」となることがあります。

そんな自分ではやめられなくなってしまう状態を薬物依存といいます。

また、このような状態でも、薬物に依存している意識が低い方も多くいます。

薬物依存になると

薬物依存状態になると、

  1. 同じ量ではだんだん薬が効かなくなり、使用量が増える。
  2. 薬をやめたり量を減らしたりすると、離脱症状(禁断症状)が現れる。

薬を使うことで、一時的に気分の落ち込みや不安を和らげたり、気分や意欲をあげたりすることができても 、乱用を繰り返すことで、次第に同じ使用量では、期待する効果が得られなくなります。

そのうちに心身に不調をきたしたり、家庭生活や社会生活が上手くいかなくなっていくことがあります。

離脱症状とは

離脱症状とは、発汗・動悸・手の震え・嘔吐・不眠・幻覚・興奮・不安・倦怠感・焦燥感(焦り)・けいれん発作などがあります。

やめられない理由

アルコールや薬物などの依存対象物質を摂取すると、私たちの脳内にはドーパミンという快楽物質が放出されます。

このドーパミンが脳内に放出されると、中枢神経系が興奮して快感や喜びにつながります。

ただし、次第に喜びを感じる中枢神経の機能は低下していくために快感・喜びを感じにくくなるので、薬物の量や頻度が増えていきます。

そうすると、ますます「快感・喜び」を感じにくくなり、焦燥感や不安、物足りなさばかりが増していく・・・という悪循環に陥っていきます。

一旦このような状態に陥ると、自分の意志でコントロールすることは困難になります。

脳が快楽求めてエスカレートしているため、本人が「やめたい」と思ってもどうにもならないのです。

意志の弱さや性格の問題ではなく、条件さえ揃えば誰でも依存症になる可能性があります。

依存症で起こりやすい問題は?

薬物依存性によって、自分で自分の欲求をコントロールできなくなってしまうと、だんだん薬物の使用を第一に考えるようになってしまいます。

そして他のことがおろそかになったり、社会生活をしていく上での「優先順位」さえ分からなくなっていきます。

例えば、

  • 睡眠や食事がおろそかになる
  • 嘘をついて周りの人との関係を悪化させる
  • 仕事や学校よりも薬物を優先する
  • 退学や退社、失業などに陥る

などが、挙げられます。

薬物依存は治るの?

様々な助けを借りながら、薬物に頼らない生活を続けることは可能です。

そのためには、「自分の素直な気持ちを言える場所」や「孤立しない」ことが大切です。

本人や家族だけで抱え込まないで、早めに専門の機関に相談しましょう。

回復するためには?

医療機関に相談する

自分で減薬や断薬をするのは、かえって危険だと言われています。

薬物依存性の可能性を感じたら、先ずは早めに医療機関の受診をおすすめしましょう。

そしてご本人の状況を伝えて、適切な治療方法を相談することです。

抱え込まずに悩みや困りごとなどを話したり、相談しましょう

もし、悩みやつらい気持ち、困っていることがあれば、信頼出来る人に相談する様に促しましょう。

その際は、お住まいの市区町村などの公的な相談機関でも構いません。

市区町村のホームページを検索すると見つかることも多いはずです。

工夫をしてみよう

薬を使用したくなったら、スポーツや趣味など、自分の好きなことに触れることで気持ちを紛らわせることをアドバイスしましょう。

また、相談している相手に、そんな時の過ごし方を聞いてみましょう。

ご本人に出来ることは?

ご本人の行動を振り返る

  • どんなときに薬を使いたくなるのか
  • 薬を使いたかったにもかかわらず、実際には使わなかった時には、何があったのか

お薬以外のことを探す

  • お薬とは全く異なることを考えたり、違う映像を思い浮かべたりする 。
  • お水を飲んだり、顔を洗ったりする。
  • 軽く運動する。
  • 趣味に没頭する。
  • 仕事や家事で忙しくなるようにする。

家族に出来ることは?

  • 家族が相談機関に相談する。
  • 薬への依存について理解を深めたり、対応方法を学んだりする。
  • 本人との関係を良いものにするために、コミュニケーションを円滑にする。

登録販売者に出来ることは?

登録販売者としては、依存性の高い医薬品を販売する際には、出来るだけ注意喚起することです。

全く注意喚起せずにお薬を販売してはいけません。

先ずは、前述の薬物依存の恐ろしさを理解した上で、

  1. レジで一言声を掛ける。
  2. 必要事項にサインしてもらう。
  3. 必ず説明をする。

などの販売方法をとりましょう。

声掛けする際のポイント

ポイント①お客様を自分の家族や身内だと思って声掛けする

1つ目のポイントは、お客様を自分の家族や身内だと思って声掛けすることです。

もし、みなさんのご家族が依存性の高い成分を含む医薬品を買い求めていたら、きっとそのリスクをしっかりと説明するのではないでしょうか?

逆に、「どうせ他人だし」「お客さんだし」と思って接していると、「このお薬を服まれたことはありますか?依存しやすいお薬が入ってますので、用法用量を守ってくださいね」というような事務的な説明になります。

このような声掛けですと、お客様もあまり「店員さんの話しを聞こう」とは思わないでしょう。

ポイント②結論から話す

お客様に何かを伝えたい時には「注意」や「関心」を最後まで引き付ける必要があります。

そのためにおすすめなのが、PREP話法です。

このPREP話法とは、

  1. 結論(POINT )
  2. 理由(REASON )
  3. 例え(EXAMPLE )
  4. 結論(POINT )

の順に話す話法で、この順番に話すと最後まで関心をひきながら話すことが出来ます。

声掛け例とポイント

以上の2点を踏まえた声掛け例としては、

「お客様、こちらのお薬の注意点を前の者はご説明させて頂きましたか?」

「いいや、聞いてないよ」

「そうでしたか。大変申し訳ございません。(軽く謝る感じ)こちらのお薬、実は依存性の高い成分が入ってるんです」

「そうなの⁉︎」

「はい。お客様は大丈夫なんですけど、〇〇という成分には依存性があるので〜」

「そうなんだ〜」

「そうなんですよ〜。で、もし万が一の時のために、皆様に必要事項にサインして頂いておりますので、こちら簡単で結構ですので、お願い出来ますか?」

「分かったわ。ここに書けば良いの?」

「はい!ご協力くださりありがとうございます!」

ポイント①

冒頭のように質問すると、ほとんどのお客様は「いいえ、聞いてないよ」とお答えします。

そしてお客様は「注意点って何?」と興味・関心を持ちます。

ポイント②

「そうでしたか。大変申し訳ございません」と謝ることで、お客様は「いいよ。別に謝らなくても」と思います。

そして、その後の話を聞く姿勢になります。

ポイント③

実は〜」というフレーズは興味・関心を惹きつけます。

このフレーズを使うことで、お客様は「何⁉︎」とその先の内容を聞きたくなります。

ポイント④

「お客様は大丈夫なんですけど〜」というフレーズには、お客様を軽くおだてて気分を良くする効果があります。

例えば、「お客様はお値段なんか関係ないと思うんですけど〜」と言われたら嫌な気はしませんよね。

ポイント⑤

「皆様に〜」と言われると「自分だけがサインしない」のは、気まずく感じます。

また「お願いできますか?」と謙虚に下から言われたら「嫌です」「出来ません」と断りにくいですよね。

そしてサインして頂けることになったら、すぐに「ありがとうございます」とお礼を言いましょう。

一度お礼を言われたら「やっぱりやめた」とは言いにくいからです。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「薬物乱用と登録販売者に出来ること・声掛け例」についてお伝えしました。

医薬品販売のプロである登録販売者には

  • お薬選びのお手伝い
  • セルフメディケイションの推進
  • 健康アドバイザー

などの他に、薬物乱用を防ぐという重要な役割もあります。

もし、依存性の高い成分を含んだ製品を、大量購入しようとしているお客様がいたら、必ず一言声を掛けて注意喚起していきましょう。





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