胃の症状別・胃腸薬の選び方とおすすめの胃腸薬

登録販売者「実務」
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みなさん こんにちは😊

ところで、ドラッグストアではたくさん胃腸薬が販売されていますよね。

あまりの種類の多さに

「お客様に質問されても答えられない…」

「症状にあった製品が分からない…」

「それぞれの製品の違いは何?」

とお悩みの登録販売者の方も多いのでないでしょうか?

そこで今回は「胃の症状別・胃腸薬の選び方とおすすめの胃腸薬」をお伝えします!

よろしければ、是非参考にしてください😊

症状別・胃腸薬の選び方とおすすめの胃腸薬

胃もたれ

胃もたれは、食べたものが消化されず、いつまでも胃に残っているように感じる症状です。

その原因は

  • 消化の悪い脂っこいものを食べる
  • 自律神経の乱れ
  • 胃の機能低下
  • 食べ過ぎ、飲み過ぎ

などが考えられます。

通常は、食後2~3時間で、胃の中の食べ物は消化され、小腸に運ばれます。

ですが、焼肉や揚げ物、天ぷらなどに多く含まれる脂肪は、ご飯やパンなどのに多く含まれる炭水化物に比べると、消化に時間がかかるので、胃もたれを起こしやすくなります。

例えば、上の表のように、天ぷらやビーフステーキなどを100g食べると、消化するのに約4時間かかりますが、食パン100gの場合は半分の2時間で消化されます。

胃もたれにおすすめの成分

そんな胃もたれにおすすめなのが消化酵素です。

その理由は、消化酵素は胃に残った食べものを消化・分解してつらい胃もたれを元から解消してくれるからです。

そんな消化酵素には

  • ご飯やパンなどを消化する「炭水化物消化酵素」
  • 油を消化する「脂肪消化酵素」
  • お肉や魚などのタンパク質を消化する「タンパク質消化酵素」

の3つがあります。

この3種類の消化酵素が入っていれば、何を食べた時にも効果が期待出来ます。

ですので、胃もたれを起こしやすいお客様には、三大栄養素全てを含む胃腸薬がおすすめです。

また消化しにくい脂肪を乳化して、消化しやすくしてくれる「ウルソデオキシコール酸」配合の製品もおすすめします。 

OTC医薬品に使用される消化酵素

  • ジアスターゼ(炭水化物消化酵素)
  • ビオヂアスターゼ (炭水化物・タンパク質消化酵素)
  • タカジアスターゼ(炭水化物・タンパク質消化酵素)
  • リパーゼ(脂肪消化酵素)
  • プロザイム(タンパク質消化酵素)
  • ニューラーゼ(タンパク消化酵素)

ウルソデオキシコール酸、デビドロコール酸は胆汁の分泌を促す「利胆作用」で、脂肪の消化を助けます。

胃もたれにおすすめの製品

太田胃酸A錠剤

「太田胃酸A錠剤」は三大栄養素である脂肪・炭水化物・タンパク質全ての消化酵素を配合しています。

さらに消化しにくい脂肪を乳化して消化しやすくしてくれるウルソデオキシコール酸も配合。

つらい胃もたれによく効きます。

[参照]太田胃酸A錠剤ホームページ

パンシロンアクティブ55

「パンシロンアクティブ55」は三大栄養素全ての消化酵素が含まれています。

太田胃酸A錠剤のようにウルソデオキシコール酸は配合していませんが、その分、リパーゼAP12・ビオヂアスターゼ2000(太田胃酸A錠剤はリパーゼAP6・ビオヂアスターゼ1000)を配合しています。

参照]パンシロンアクティブ55ホームページ

胸焼け

「胸やけ」とは、みぞおちの上の辺りがジリジリ、ヒリヒリと焼けるような感じ、しみる感じなどの症状をいいます。

本来、食道と胃のつなぎ目部分(噴門部)の筋肉は、食べたり飲んだりする時以外はしっかり閉じていて、胃液が食道に逆流することを防いでいます。

ところが何らかの原因で、食道と胃のつなぎ目部分の筋肉の締まりが悪くなると、胃液が食道に逆流してしまうことがあります。

胃の粘膜は、胃酸による刺激を受けないよう粘液により保護されていますが、食道の粘膜はこのような機能が弱いため、逆流した胃酸に刺激されて、胸やけの症状が起こるのです。

胸焼けにおすすめの成分

そんな時におすすめなのが、胃酸を中和する制酸剤です。

胃酸は鉄も溶かしてしまうほどの強酸性(PH1〜2)ですが、制酸剤はそんな胃酸を中和することで、つらい胸焼けを楽にしてくれます。

主な制酸剤成分

  • 炭酸水素ナトリウム (重曹)
  • 乾燥水酸化アルミニウムゲル
  • ジヒドロキシアルミニウムモノアセテー ト
  • ケイ酸マグネシウム
  • 酸化マグネシウム
  • 炭酸マグネ シウム
  • 合成ヒドロタルサイト
  • メタケイ酸アルミン酸マグ ネシウム
  • 沈降炭酸カルシウム
  • リン 酸水素カルシウム

制酸剤選びのポイント

制酸剤には速く効く「速効性制酸剤」と、ゆっくりと効きはじめて、長く効く「持続性制酸剤」があります。

速効性制酸剤だけの場合、約20分くらいで効果が失われるのに対して、持続性制酸剤はゆっくりと効き始めて、約2時間効果を発揮します。

ですので、その両方を配合している胃腸薬の方が速く、長く効果を発揮するのでおすすめです。

胸焼けにおすすめの胃腸薬

サクロン

胃のムカムカや胸やけは、胃酸が出過ぎることで起こることがあります。

また、過度な飲酒によりアルコールが胃粘膜自体を直接刺激することも原因となります。

サクロンは、出過ぎた胃酸の働きを弱め(中和)分泌を抑制し、荒れた胃粘膜を葉緑素から作られた緑の成分で修復・保護します。

ムカムカ・胸やけ・飲みすぎに。サクロンはスーッと飲めば、スーッと効きます。

[引用]エーザイホームページ

サクロンには、速効性と持続性、2つの制酸剤に加えて、荒れた胃の粘膜を修復・保護する銅クロロフィリンカリウム、胃酸の分泌を抑え、急な痛みを止めるロートエキスを配合しています。

アルコールが胃を荒らす?

過度な飲酒、特に度数の高いアルコールの摂取は胃粘膜を荒らします。

例えば、インフルエンザの予防接種を受ける時に、腕をアルコールを染み込ませた綿で殺菌するとスーッとしますが、それと同じことが胃粘膜で行われるからです。

太田胃酸

7種類の健胃生薬の効きめが、弱った胃を元気にします。

生薬の構成成分の良さが胃のもたれ・二日酔いの
むかつきなどの不快感を取り除きます。

[引用]太田胃酸ホームページ

太田胃酸は速効性制酸剤と持続性制酸剤をそれぞれ2種類ずつ、合計4種類配合していますので、胃酸の出過ぎによる胸焼け、ムカムカに速く、長く効果を発揮します。

さらに、7つの生薬と炭水化物消化酵素も配合。

ちなみに太田胃酸の一回服用量中(1.3g)、制酸剤が81.3%(1057.4g)を占めています。

胃痛

みなさんも悩みや心配ごと、ストレスなどを感じた時、胃がキリキリと痛んだ経験はありませんか?

胃は食べ物を消化するために分泌される液体で塩酸と同じ、PH1〜2度で鉄も溶かすほどの強酸性です。

そんな胃酸が分泌されても、通常は胃粘膜に保護されているので、胃が傷つくことはありません。

しかし、ストレスなど、何らかの原因で胃の中のバランスが崩れると、胃酸が粘膜を攻撃し、胃痛という症状が現れます。

胃の中を検査しても特に病気が見つからない場合、バランスを崩す原因として挙げられるのは「ストレス」と「乱れた食生活」です。

私たち人間はストレスを受けると、胃の働きをコントロールしている自律神経がバランスを崩し、胃酸を過剰に分泌したり、胃を守る胃粘膜の機能が低下して胃粘膜を傷つけてしまい、痛みを感じます。

またストレスによる胃痛は主に空腹時に感じることが多いのも特徴です。

その理由は、胃に食べ物が入っていれば、胃酸と食べたものが混ざるので、胃粘膜に胃酸が直接触れにくいため、痛みを感じにくいからです。

しかし、空腹時は胃に食べものがないので、出過ぎた胃酸が荒れた胃粘膜に直接触れるため、痛みを感じやすいのです。

この時の胃は、粘膜が傷ついて炎症や潰瘍ができやすくなっている状態です。

また暴飲暴食や極端に辛いもの、熱いものを食べ過ぎると胃粘膜を傷つけてしまいます。

胃痛におすすめの成分

そんな胃痛におすすめの成分は

  • 制酸剤
  • H2ブロッカー
  • 胃粘膜保護修復剤

などがあります。

制酸剤

制酸剤は前述の通り、胃酸を中和することで、その働きを弱めて胃酸分泌による胃の痛みを緩和します。

H2ブロッカー

胃酸分泌に関与する伝達物質のひとつ「ヒスタミン」の働きを抑える成分が配合された医薬品が第一類医薬品の「H2 ブロッカー」と呼ばれる製品群です。

制酸剤は出過ぎた胃酸を中和するのに対して、H2ブロッカーは胃酸をコントロール(胃酸の分泌を一時的に抑える)します。

例えて言えば、胃酸を分泌する水道の蛇口を閉めるようなイメージです。

胃粘膜保護修復剤

荒れた胃粘膜を直接バリアーしたり、胃粘膜を胃酸から守る胃粘液の分泌量を増やしたりすることで、荒れて弱った胃粘膜を保護修復します。

例えるなら、胃をパカっと開いて荒れた胃粘膜にキズ薬を塗ったり、絆創膏を貼るようなものです。

また、胃粘膜保護修復剤は制酸剤と合わせて配合されている場合がほとんどです。

主な胃粘膜保護修復剤

胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促すなどの作用を期待して以下の成分が配合されます。

  • アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)
  • アルジオキサ
  • スクラルファート
  • ゲファルナート
  • ソファルコン
  • テプレノン
  • セトラキサート塩酸塩
  • トロキシピド
  • 銅クロロフィリンカリウム
  • 銅クロロフィリンナトリ ウム
  • メチルメチオニンスルホニウムクロライド(MMSC)

胃痛におすすめの胃腸薬

スクラート胃腸薬

有効成分スクラルファートが胃痛のもと(胃粘膜の荒れた患部)に直接貼りついて保護・修復する。

スクラルファートは、胃痛のもととなる胃粘膜の荒れた患部を選んで、まるで「胃の絆創膏」のようにすばやく付着。患部を保護・修復します。

[引用]スクラートホームページ

スクラートには、胃粘膜保護修復剤「スクラルファート」やアズレンスルホン酸ナトリウム、L-グルタミンに2種類の制酸剤、胃の痛みや痙攣を鎮めるロートエキスを配合、ストレスなどによる胃粘膜が荒れ、特に、胃内の酸性度が高い空腹時に胃の痛みを緩和します。

セルベール

セルベールは以下のような方におすすめします。

  • 「胃もたれ」「胸やけ」などの症状を漫然と繰り返す方
  • 少し無理をしたり、少し胃に負担がかかるだけで不快な症状を感じる方

セルベールは、胃酸などの刺激から胃の粘膜を守る「胃粘液」を増やし、さらに胃の運動を活発にして弱った胃の状態を整えます。

セルベールは、サッと溶けて飲みやすい細粒です。

[引用]セルベールホームページ

セルベールは、胃粘液を増やして、胃酸やアルコールによる刺激から胃を守るテプレノンに、弱った胃を元気にする2種類の生薬を配合しています。

急な胃痛や下痢

胃や十二指腸などの働きをコントロールしている自律神経がストレスなどの影響で乱れると、胃の働きが悪くなったり、胃酸が過剰に分泌されて、胃の粘膜を傷つけてしいまい、その結果、急な胃痛や下痢を起こしやすくなります。

急な胃腸の痛みは、主に胃腸の過剰な動き(痙攣)よって生じます。

消化管の運動は副交感神経系の刺激によって活発になります。

副交感神経系は胃粘膜を傷つける胃液の分泌を促すため、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えることで症状を緩和します。

アセチルコリンの働きを抑える抗コリン薬は胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛)を鎮める、鎮痛鎮痙作用のほか、胃酸過多や胸やけに対する効果も期待出来ます。

急な胃の痛みや下痢におすすめの成分

そんな急な胃の痛みや下痢におすすめの成分「鎮痛鎮痙剤」の1つが抗コリン成分です。

主な抗コリン成分

  • メチルベナクチジウム臭化物
  • ブチルスコポラミン臭化物
  • メチルオクタトロピン臭化物
  • ジサイクロミン塩酸塩
  • オキシフェ ンサイクリミン塩酸塩
  • ロートエキス

その他の鎮痙薬

消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める「パパベリン塩酸塩」は抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用はありません。

また消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙作用を期待して「アミノ安息香酸エチル」「オキセサゼイン」のような局所麻酔成分が配合されている場合があります。

急な胃痛におすすめの製品

ストッパ

ストッパ下痢止めEXは胃の異常な痙攣を止める鎮痛鎮痙剤「ロートエキス」配合。

さらに「タンニン酸ベルベリン」が腸内の殺菌作用と収斂作用2つの効果を発揮します。

  • 緊張すると、急にお腹が痛くなる
  • いつも突然下痢に襲われる
  • ストレスを受けると直ぐにお腹にくる

という方におすすめです。

ストッパホームページ

ブスコパンA錠

ブスコパンA錠は、胃腸の痙攣を鎮めるブチルスコポラミン臭化物を配合。

胃痛、腹痛、さしこみによく効きます。

有効成分「ブチルスコポラミン臭化物」は胃腸の異常な緊張を和らげ、胃酸の分泌を抑え、痛みをしずめます。

ブスコパンA錠ホームページ

食欲不振

食欲不振とは、食べていないにもかかわらず食欲が出ない状態です。

通常、しばらく食事をしていないと血糖値が下がり、空っぽな胃が収縮して、お腹が鳴り、脳の視床下部にある摂食中枢が刺激されて「お腹が空いた」と感じます。

ですが、何らかの理由で脳が食欲を感じにくくなっているのが食欲不振です。

みなさんご存じの通り、悲しいことがあったり、食べ過ぎ・飲み過ぎなどが続いて胃が疲れていたりすると食欲不振になります。

多くの場合は一時的なもので、数日内には食欲が回復します。

食欲不振におすすめの成分

食欲不振の時におすすめなのは健胃生薬です。

健胃生薬は、その独特の苦味や香りが胃を刺激して蠕動運動を活発にして食欲を回復させます。

主な成分

味覚や嗅覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより、弱った胃の働きを高めることを目的とした健胃生薬には

  • オウバク
  • オウレン
  • センブリ
  • ゲンチアナ
  • リュウタン
  • ケイヒ
  • ユウタン

などがあります。 

健胃生薬の刺激は、梅干しやレモンの写真を見ると唾液が分泌されるのと似ています。

食欲不振におすすめの胃腸薬

大正漢方胃腸薬

大正漢方胃腸薬は胃腸機能を促進する「安中散」と、胃の緊張をほぐし痛みを和らげる「芍薬甘草湯」のエキスを加えた独自処方により、幅広い症状で効果を発揮します。

大正漢方胃腸薬ホームページ

大正漢方胃腸薬に含まれる全8種類の健胃生薬が胃を原因にして食欲を改善します。

常備薬として用意しておきたい胃腸薬

「とりあえず、家庭に一つ胃腸薬を常備しておきたい」

「家族が何人かいるので、色々な症状に効く胃腸薬が欲しい」

という方は、幅広く成分を配合した総合胃腸薬をおすすめします。

これまで出てきた通り、胃腸薬の主な成分は

  • 出過ぎた胃酸を中和する制酸剤
  • 胃の痛みを止める鎮痛鎮痙剤
  • 荒れた胃粘膜を保護修復する胃粘膜保護修復剤
  • 弱った胃を元気にする健胃生薬
  • 胃に残った食べ物を消化する消化酵素

などがあります。

これらをバランス良く配合した胃腸薬なら様々な症状に効果を発揮するので常備薬にぴったりです。

常備薬におすすめの胃腸薬

キャベジン

動きの鈍った胃を元気に動かし、正常な胃の働きを取り戻していきます!

キャベジンコーワαは荒れて傷んだ胃の粘膜を修復し、正常な状態に整える有効成分MMSC※に加え、胃の動きを高めるソヨウが協力して働くことで、弱ってきた胃を元気にし、正常な働きを取り戻していく胃腸薬です。

[引用]キャベジンホームページ

キャベジンは3つの制酸剤に鎮痛鎮痙剤、三大栄養素全てに効く消化酵素、そして胃粘膜保護修復成分MMSCなどをバランスよく配合しています。

正に、「家庭の常備薬」にぴったりの製品です。

第一三共胃腸薬

第一三共胃腸薬ホームページ

第一三共胃腸薬は、消化酵素や制酸剤、健胃生薬などをバランス良く配合しています。

また、ナトリウムを含まないので、塩分が気になる方も安心して使用出来ます。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「症状別・胃腸薬の選び方とおすすめの胃腸薬」についてお伝えしました。

胃の不快感には様々な症状があります。

ドラッグストアなどには、たくさんの胃腸薬が並んでいて、お客様のほとんどが「どれを選べば良いか分からない」と感じているでしょう。

登録販売者としては、そんなお客様のお薬選びをしっかりとサポート出来るように準備をしておきたいですね😊


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