登録販売者なら知っておきたい薬機法ってどんな法律なの?

薬機法
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みなさん こんにちは😊

ところで、登録販売者のみなさんは「薬機法(旧薬事法)」という法律をご存知ですか?

医薬品や医薬部外品、サプリメントなどを販売する登録販売者なら必ず覚えておかないといけない法律ですよね。

登録販売者としては薬機法を「知りませんでした」では済まされません。

でも、

「聞いたことはあるけど、今ひとつよく分からない」

「職場にも薬機法に詳しい人はいないし…」

「知らないうちに違反してるかも?」

という人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はそんな「登録販売者なら覚えておきたい薬機法」について解説します。

もしかしたら「今までずっと薬機法違反を犯していた」なんて人もいるかも知れません。

そんなことにならないように是非、再確認してみましょう!

登録販売者なら知っておきたい薬機法

薬機法とは?

薬機法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことを指します。

【引用】医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

薬機法はこれらの製造・販売・安全対策まで規制し、その適正化を図ることを目的としています。

また上記の製品等を扱う事業者は薬機法に従わなければなりません。

さらに健康食品やサプリメント、健康・美容器具を取り扱う事業者もこの法律に抵触しないようにする必要があります。

ここ最近では、2021年8月より課徴金制度が適用されるようになるなど、薬機法違反はより厳罰化されています。

薬機法の目的とは?

薬機法の目的は以下の通りです。

  • 保護衛生上の危害の発生及び拡大の防止
  • 指定薬物の規制
  • 保護衛生の向上

医薬品や医療機器等、この法律が規制対象になっているものは、人々の健康や生死に関わります。

「国で認められていない成分が入っている」

「誇大広告で効能・効果を消費者が誤認し使用してしまった」

などが起これば人体に影響がでる可能性があります。

そのようなことを防いで「消費者の安全」を守るために薬機法は存在します。

つまり、私たちが普段から医薬品やサプリメントを安心して使用出来るのも薬機法のおかげと言えるでしょう。

薬機法の規制対象は?

では、どんなものが薬機法の規制対象になるのでしょうか。

それは以下の5つが該当します。

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器
  • 再生医療等製品

また、最近需要が高まっている健康食品やサプリメントは該当しません。

それは健康食品やサプリメントは食品なので、食品衛生法で管理・規制されているからです。

広告における薬機法規制

では、「薬機法に抵触してしまう広告」とはどのようなものなのでしょうか。

それは以下の2点になります。

虚偽・誇大広告の禁止

医薬品等の効果・効能について、虚偽や誇大な広告をしたり、医師がその効果・効能を保証したと認識するような恐れがある広告は薬機法に抵触します。

よくサプリメントのCMで医師が解説していますが、注釈で保証していないように記されているのはこのためです。

また規制対象を「何人も」と記載してあります。

これは誇大広告の規制対象は広告主だけでなく、広告代理店やテレビやラジオ、雑誌、SNSなどの媒体も含むからです。

未承認医薬品の広告の禁止

未承認医薬品とは本来医薬品ではない健康食品やサプリメントをあたかも医薬品であるかのように宣伝・広告することです。

医薬品等適正広告基準

誇大広告と判断される基準は厚生労働省のガイドラインと行政指導に基づいています。

医薬品等適正広告基準 厚生労働省

商材別の規制内容

化粧品

化粧品は訴求できる効果・効能は決まっています。

もし事実であってもそれを超える表現は、誤って医薬品と認識する恐れがあるため禁止されています。

化粧品の効能の範囲の改正について 厚生労働省

健康食品・サプリメント

前述の通り、健康食品・サプリメントは栄養補助食品なので薬機法ではなく「食品衛生法」で管理されています。

ですので「機能」「効能」「効果」等を表現すれば薬機法違反になります。

健康食品やサプリメントの販売に携わる人の中には、知らないうちにこのルールに抵触している人が多いのではないでしょうか?

例えば、青汁を販売する際に「便秘を改善します」と説明したり、ビタミンEのサプリメントを販売する際、「肩こりや冷え性に効きますよ」と効能・効果を謳うと薬機法違反になります。

薬機法違反に当たる表現例

効能・効果

  • 血圧が下がる
  • 便秘に効く
  • ガンが治る
  • 疲労回復
  • 花粉症対策
  • アンチエイジング
  • 美肌
  • 育毛
  • 痩せる

また医薬品と誤認させるような「用法・用量」の表現も薬機法違反に当たります

用法・用量

  • 食前に
  • 食後に
  • 一日一錠
  • 一日3回
  • お酒を飲む前に
  • 疲れがとれない時に
  • 子供は飲まないでください

ただし、

「特定保険用食品(いわゆる特保)」

「機能性表示食品」

に関しては消費者庁の許可を得た内容は表現出来ます。

最近よくCMで見かける特保のお茶などで

「血圧が高めの方に」

「コレステロールが気になる方に」

と表現している商品はこれにあたります。

健康・美容関連商品

これらも薬機法の規制範囲外です。

しかし、健康食品やサプリメントと同じく、医薬品と認識させる表現をすれば薬機法違反になります。

  • 脱毛器
  • 筋肉運動補助器具
  • 着圧ストッキング

などはあくまでも「雑貨」ですので、医薬品のように効果・効能を表現してはいけません。

薬機法違反の罰則

では、薬機法に違反したらどのような罰則があるのでしょうか。

違反してしまうと行政指導が行われ、悪質な場合は逮捕されます。

また刑事罰として罰金が科せられることもあります。

さらに2021年8月より課徴金制度が導入され、行政の裁量で違反を行っていた期間中における対象商品の売り上げ額の4.5%の納付という罰金が課せられます。

また企業としては、課徴金以上に社会的信用を失うことは、とてもダメージが大きいですし、自主回収などとなると損害はさらに広がります。

課徴金制度の導入について 厚生労働省

登録販売者が薬機法に違反しないためのポイント

では、具体的に登録販売者が薬機法に抵触してしまうケースを確認しましょう。

登録販売者は仕事上、医薬品や医薬部外品、健康食品、サプリメントを販売することがあります。

その際に起こしてしまいがちな薬機法違反についてお伝えします。

健康食品・サプリメントの販売する場合

前述の通り、健康食品とサプリメントを販売する場合には

  • 機能
  • 効果
  • 効能
  • 用法・用量
  • 医薬品と誤認させる飲み方

などを訴求してはいけません。

その場合は「無許可医薬品の販売」となります。

医薬品・医薬部外品の場合

医薬品と医薬部外品には薬機法上、必ず効能・効果が記載されています。

その「効能・効果を超えない」という点に注意が必要です。

ついつい目先の売上に追われて効能・効果に記載されていないことを、あたかも記載されているようにお客様に説明して販売してはいけません。

例えば効能・効果に記載していないのに

「肩こりにも効きますよ」

「火傷にも良いですよ」

などと説明すれば薬機法違反になってしまいます。

お客様に訴求して良いものは?

その一方で、効能・効果に記載してある内容は厚生労働省が認めているものなのでお客様にお伝えしても構いません。

もし、お客様がそのお薬を使用して期待していた効能・効果が得られなかったとしても、それは薬機法違反にはあたりません。

例えば、

「熱が高かったので解熱剤を服用したけど熱が下がらなかった」

「胃もたれで胃腸薬を服んだけど全然効かなかった」

というケースはよくあります。

それは一般用医薬品は効き目より安全性を優先しているため、必ず効くわけではないからです。

また、上記のような場合は解熱剤や胃腸薬で効果が得られない別の病気だった可能性がありますので受診勧奨するべきでしょう。

登録販売者初心者の方は薬機法を意識するあまり、本来訴求しても良い効能・効果まで訴求出来ないで悩む人がいますのでその点もしっかりと把握しておきましょう。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

まとめ

今回は「登録販売者になったら覚えておきたい薬機法」についてお伝えしました。

仕事をしていると推奨品売り上げ目標、予算達成などの目先の売上や数字のために薬機法に抵触してしまうかも知れません。

ただ、最近耳にすることが多いコンプライアンス(法令遵守)は企業が守らなければならない最低限のルールです。

一度失った信用は中々取り戻すことは出来ません。

登録販売者として接客する前に薬機法について充分理解しておきましょう。


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