知っておきたい「かぜの基礎知識」をチェック!

登録販売者「実務」
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みなさん こんにちは😊

ところで、OTC医薬品の中で最も売れる品目と言えば、みなさんご存知の「かぜ薬」ですよね。

私たちがかぜをひきやすいのは、日本には四季があって、その分、気温の変化が激しい「季節の変わり目」があるのもその理由でしょう。

私はよく天気予報で「今日は昨日との気温差が10度ちかくもあります」とか「明日は冬に逆戻りです」などと聞くと「かぜをひく人が増えるのかなぁ」と思っています。

そんな「かぜ」についてお客様は案外よく分かっていません。

登録販売者としては、お客様がなるべくかぜをひかないように、また、もしひいてしまっても軽くすむようにアドバイスしたいですよね。

そこで、今回は改めて「かぜの基礎知識」についてまとめてみました。

今回の記事の内容は実際の接客ですぐに使えます。

また最も多く売れる「かぜ薬」の説明に厚みがでて、登録販売者としてのスキルアップにも直結しますので、是非覚えて実際にお客様にどんどんお話ししてくださいね♪

【参照】Medical Note

かぜの基礎知識

そもそも「かぜ」って何?

かぜの正式名称は「かぜ症候群」と言います。

「普通感冒」「急性咽頭炎」「急性扁桃炎」「急性喉頭炎・気管炎」など、いわゆる「鼻かぜ」や「のどかぜ」を指します。

主な症状としては、せき・たん・のどの痛み・発熱・くしゃみ・鼻みず・鼻づまりがあります。

かぜの原因の80~90%はウイルスによる感染で、他には一般細菌やマイコプラズマなども原因になります。

ちなみに、激しい嘔吐や下痢が伴う「お腹のかぜ」は「感染性胃腸炎」で、かぜ症候群とは違うウイルスや細菌が原因の場合がほとんどです。

どうしてかぜをひくの?

かぜはウイルスの違いや感染した場所によって、症状が異なります。

一般的にはまず、かぜをひいた人のくしゃみやせきで飛び散った飛沫や、手指に付着したウイルスが鼻やのどに入り、粘膜で増殖して炎症を起こします。

炎症が鼻の粘膜で起きると鼻みずや鼻づまりの症状が出て、炎症がのどの奥まで広がるとせきなどの症状が出ます。

ちなみにウイルスは200種類以上あって、違う型のウイルスに感染すれば、そのウイルスに応じた症状が出ます。

夏かぜの特徴

夏のかぜは、粘膜・皮膚の症状と発熱が特徴的で、ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜炎(プール熱)が代表的です。

子どもの間で流行しやすいですが、大人もかかるので注意が必要です。

主に「接触感染」で広がるので、流行時は自分の手拭きタオルを携帯したり、プールの後はシャワーを浴びることを心がけましょう。

「お腹にくるかぜ」と言われる感染性胃腸炎も夏に流行しやすいので注意が必要です。

脱水症状を起こしやすいので、水分補給をこまめにしましょう。

冬のかぜの特徴

冬のかぜは、鼻みず・鼻づまり・せきといった呼吸器(空気の通り道)の症状が多いのが特徴です。

そのため急性上気道炎と呼ばれることもあります。

かぜをひいた人のくしゃみやせきによる「飛沫感染」で広がることが多いので注意しましょう。

冬に流行するかぜウイルスは、低温や乾燥を好むので部屋の中の保温、保湿を心がけましょう。

室温は20℃前後、湿度は60~70%位がおすすめです。

外出時にはマスクなどでのどを保湿してあげるのも冬のかぜ対策には効果的です。

夏も冬も油断せず、予防のために日ごろから、こまめに手洗いやうがいを心がけてくださいね。

かぜとインフルエンザの違いは?

かぜの特徴

かぜは1年を通してかかることが多く、特に秋から春にかけて流行しやすい病気です。

感染してから症状が出るまでの潜伏期間はおおよそ5~6日ほど。

発熱はあっても微熱程度で、頭痛や全身倦怠感など全身症状は軽いのが特徴です。

症状としてはくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどの痛み、鼻やのどなど、上気道の症状が多くみられます。

鼻みずは症状が進むにつれて、サラサラした「水様」から粘り気のある「粘液性」へと変わっていきます。

ちなみに緑色のたんは、私たちの免疫がウィルスと戦った死骸です。

インフルエンザの特徴

インフルエンザは毎冬、11月から3月に流行しやすい病気で、かぜに比べて症状が重く、通常、1~2日の潜伏期の後に高熱が出て、悪寒や頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状が強く現れます。

せき、のどの痛み、鼻みずなど局所症状をともなうことも多いです。

一般的に健康な方ならインフルエンザにかかった時の高熱は通常3~4日目には下がり始め、全身症状も軽快して10日以内に回復します。

でも、小さな子どもやお年寄りは、細菌の二次感染によって肺炎などを併発して重症化するケースもあります。

インフルエンザウイルス自身が肺炎を引き起こすことは多くありませんが二次感染が危険です。

二次感染の肺炎はインフルエンザが治癒したと思えたころに発症します。

二次感染は重症化しやすく、インフルエンザで死亡する人のほとんどが肺炎によるものです。

かつてスペインかぜにより、全世界で約4000万人の命が奪われましたが、その死亡例の多くは、二次感染による肺炎といわれています。

またインフルエンザはかぜと違って特効薬もあるので、「インフルエンザかもしれない」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。

参照】厚生労働省「インフルエンザQ&A」

【参照】セルフメディケイションネット

かぜかインフルエンザか判断するポイントは?

ただ、お客様はかぜかインフルエンザかどうか判断しにくいですよね。

判断するポイントは

  1. 急な体温上昇
  2. 筋肉痛や関節痛のような痛みを伴う

があげられます。

急な体温上昇

通常、ただのかぜの場合には1日くらいかけてゆっくりと熱が上がります。

そのためかぜの初期には学校や仕事に行けたり、家事をこなせたり出来ます。

ただし、インフルエンザの場合は「子供がお昼には元気だったのに、夕方に急にぐったりしていて熱を測ったら38度を超えていた」というように数時間で1〜2度くらい体温が上がります。

体の痛み

通常、かぜをひいても筋肉痛や関節痛のような痛みは伴いません。

ですので、もしそんな「痛み」を伴う場合はインフルエンザの疑いが強いと言えます。

なんでかぜは冬に流行るの?

冬の外の冷たく乾燥した空気や暖房で乾燥した部屋の中の空気はかぜウイルスの飛沫が飛び散りやすくなります。

また冬は空気が乾燥するためウイルスから身を守る気道粘膜の粘液(バリア)の量が減ったり、ウイルスを外に追い出す線毛のはたらきも妨げてしまうからです。

そのためにマスクや手洗いなど普段のかぜ対策に加えて、時々水分補給をして、のどの粘膜を潤しておくことをおすすめします。

【参照】Medical Note

かぜの予防方法

かぜはひき始めが肝心!

かぜの症状が出てきてしまった時に服用するかぜ薬は症状を早く抑えることで、体力の消耗を防いで回復を助ける効果があります。

また、特に高齢者や子供に多い「二次感染」を防ぐうえでも重要です。

なので「かぜをひいたかも?」と思ったら早めにかぜ薬を服用して栄養と休養をとりましょう。

栄養バランスが良くて、消化も良く、身体が温まる「うどん」がおすすめです。

また、体力を消耗するとかぜは長引くので、眠くなるても横になって「安静」にしましょう。

マスクをすればかぜにかからないの?

マスクだけで完全に予防することは出来ません。

ですが、マスクはせきやくしゃみで飛沫が飛ぶのをブロックすることで感染を防ぎ、逆に自分が感染してしまった時はせきやくしゃみで飛沫が外に飛び散るのを防いでくれます。

つまり、マスクだけでは十分とは言えませんが、
ウイルスや細菌を含む飛沫をブロックしてくれるバリアを増やすことになるります。

かぜをひいてしまったら

「かぜをひいてしまったかな?」と思ったら、栄養と休養が何より大切です!

無理をせず早めに帰宅して休んだり、睡眠時間を増やしたり、バランスと消化の良い食事で栄養を摂ることが重要です。

熱で消耗するビタミンB群やブドウ糖の補給に栄養ドリンクを飲むのも早くかぜを治すためにおすすめです。

また、かぜの症状が続くと体力が消耗するので、早めのかぜ薬で症状を緩和してあげることも大切です。

かぜの経過とともに鼻みず、のどの痛み、せきなど様々な症状が出てくるので、症状にあったかぜ選びましょう。

ただし、数時間のうちに急に体温が上がったり、筋肉痛や関節痛のような痛みを伴う場合はインフルエンザの可能性もありますので、そんなときは病院を受診しましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「かぜの基礎知識」を改めてまとめてみました。

登録販売者の本来の仕事はお客様の医薬品選びのお手伝いです。

ですが、ただお薬を販売するだけではなく、その病気の原因や対処法、繰り返さないための予防法などをお伝え出来るのが良い登録販売者だと私は考えています。

そのためには医薬品の成分以外に病気のことや栄養のことを知っておく必要があります。

お薬の説明をする機会は多くないかも知れません。

でも、お客様があなたを頼って質問や相談をしてきます。

だから、いつどんな質問や相談をされても「さすがは薬屋さん」「あなたはよく勉強してるわね」と言われるように備えておきましょう!


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