薬剤師又は登録販売者の配置時間規制「1/2ルール」廃止

1/2ルール
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みなさん こんにちは😊

ところで、みなさんは「1/2ルール」をご存知ですか?

「1/2ルール」とは令和3年3月26日に撤廃された規制のことです。

当時、この1/2ルールの撤廃によって登録販売者やドラッグストア、コンビニなど、OTC医薬品を販売する企業に大きな変化をもたらすと思われていました。

ところが、実際には特に大きな変化はありませんでした。

そこで、今回はそんな「1/2ルール」についてお伝えしたいと思います。

一体、「1/2ルール」とはどんな規制だったのかを早速振り返ってみましょう。

日本登録販売者協会「登録販売者が働く場面が縮小していくことを懸念」

厚生労働省は令和3年3月26日にOTC医薬品販売に関する薬剤師や登録販売者の配置時間規制を定めた医薬品医療機器等法の施行を一部改正する省令案を公表しました。

薬剤師や登録販売者の有資格者を営業時間の半分以上配置する規制(俗に言う1/2ルール)が省令で定められていましたが、令和2年12月に開催された政府の規制改革推進会議で規制の廃止が取りまとめられたことを受け、規定を廃止する省令改正を令和3年8月1日に施行しました。

これまでの省令では、薬局などでOTC医薬品を販売する場合、開店時間の半分以上(1/2ルール)は薬剤師や登録販売者を配置する様に求めていました。

しかし、令和2年10月に行われた規制改革推進会議で日本フランチャイズチェーン協会などから規制見直しが提言されていました。

1/2ルールとは「OTC医薬品を販売する店舗は1週間の営業時間のうち、2分の1以上の時間は薬剤師または登録販売者を常駐させなければならない」というルールです。

例えば、24時間営業のコンビニエンスストアなどの場合は一日12時間以上、薬剤師又は登録販売者を常駐させ、医薬品の販売管理や医薬品の陳列・保管管理・構造設備の管理・販売員の管理等をさせなければいけませんでした。

それを実際に運用するにはパートやアルバイトを活用して4〜5人の薬剤師又は登録販売者が必要でした。

しかし、店舗あたり複数の薬剤師又は登録販売者を確保するのが難しいコンビニ業界はこの「2分の1ルール」がOTC販売のネックとなっていたからです。

そのため医薬品販売に参入したいコンビニ大手が加盟する日本フランチャイズチェーン協会が厚生労働省に撤廃を強く働きかけたとされていました。

その働きかけにより、令和2年12月の会議で規制の廃止が取りまとめられました。

規制の廃止に向けては厚生労働省が令和2年内に結論を得た上で速やかに実施することが決まりました。

結果として、令和3年8月1日より薬剤師や登録販売者などの有資格者を営業時間の半分以上配置する規定は省令から削除することになりました。

改正案概要

  • 要指導医薬品等を販売し、又は授与する薬局又は店舗にあっては、要指導医薬品等を販売し、又は授与する開店時間の一週間の総和が、当該薬局又は店舗の開店時間の一週間の総和の2分の1以上であることとする規定を削る。
  • 要指導医薬品を販売し、又は授与する薬局又は店舗にあっては、要指導医薬品を販売し、又は授与する開店時間の一週間の総和が、要指導医薬品等を販売し、又は授与する開店時間の一週間の総和の2分の1以上であることとする規定を削る。
  • 第一類医薬品を販売し、又は授与する薬局又は店舗にあっては、第一類医薬品を販売し、又は授与する開店時間の一週間の総和が、要指導医薬品等を販売し、又は授与する開店時間の一週間の総和の2分の1以上であることとする規定を削る。
  • 要指導医薬品等を販売し、又は授与する開店時間以外の時間における対応に関する業務について、要指導医薬品等の適正販売等の業務に関する手順書に含めることなどを明確化する。

厚生労働省医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則及び薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令の一部を改正する省令(案)概要

反対の声

これに対し一般社団法人日本登録販売者協会の樋口会長は反対の声をあげています。

一般社団法人日本医薬品登録販売者協会 「2分の1ルール」廃止に「反対の声」のお願い

登録販売者不要論はあり得ない

1/2ルールにより登録販売者不要論が浮かび上がる一方、「そんなことはあり得ない」という意見もあります。

その理由としては、先ず大前提として薬の販売は登録販売者(または薬剤師)が店舗にいる時間しか行えないからです。

いくらお店に医薬品が陳列されていても登録販売者(または薬剤師)がいないと売ることはできません。

「2分の1ルール」とは「営業時間の半分以上の時間、薬剤師または登録販売者を配置する必要がある」と定められていた医薬品を販売する「店舗」に課せられていたルールです。

簡潔に言えば、[薬を売るなら営業時間の2分の1以上薬を売れる状態(=登録販売者か薬剤師が店舗にいる状態)にしておいてね」というルールです。

登録販売者が必要なことには変わらない

この「2分の1ルール」の撤廃により医薬品を扱う店舗は今後増えていくと考えられます。

今後はドラッグストアだけでなく、コンビニやスーパー等も医薬品販売に乗り出してくるでしょう。

医薬品販売の大前提である「登録販売者(または薬剤師)で無ければ、薬は売れない」ことは変わりません。

ですので、医薬品を扱う店舗が増えれば、それに伴って登録販売者の需要もより増えていくでしょう。

つまり登録販売者が必要とされることに変わりはありません。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「1/2ルール」についてお伝えしました。

今回の1/2ルール撤廃はコンビニエンスストア業界にとって、医薬品販売をしやすくなる追い風になると見られています。

ただ、今のところ医薬品の売り上げアップや店舗の利便性向上などはあまりないようです。

また「2分の1ルール」の撤廃を登録販売者への逆風とみる向きも多いですが、これまで医薬品販売に参入できずにいたコンビニやディスカウントショップ、スーパー、ホームセンターなどの新規参入が増えることで、逆に登録販売者の活躍の場は増えていくものと考えられます。

今後、今回の省令改正が登録販売者にとってどのような影響を与えるのか気になりますね。


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