登録販売者なら知っておきたい「カフェイン」の働きとリスク

商品知識
この記事は約6分で読めます。

みなさん こんにちは。

登録販売者Naviの中村です。

いつもありがとうございます😊

ところで、カフェインはかぜ薬や鎮痛剤などに広く配合されていて、登録販売者試験でもよく出題される成分の一つですよね。

また、みなさんも普段からコーヒーや紅茶、緑茶チョコレートなどから口にする機会も多いのではないでしょうか。

私もコーヒーは好きでよく飲んでいます。

そんなカフェインですが、時々、最近流行りのエナジードリンクなどによるカフェインの過剰摂取がニュースになることもありますよね。

そこで、今回はそんな「カフェインの働きとリスク」について調べてみました。

登録販売者としては、お客様がうっかりして過剰摂取などで体調を崩してしまわないように適切な摂取量などのアドバイスが出来るようになりたいですね。

カフェインとは

カフェインの働き

そもそもカフェインとはアルカロイドという化合物の一種で、以下のような働きがあります。

  • 覚醒作用
  • 血管拡張作用
  • 交感神経刺激(基礎代謝促進)作用
  • 胃酸分泌促進作用
  • 利尿作用

カフェインと言えば、コーヒーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

現代では嗜好品として世界中で親しまれているコーヒーですが、もともとは薬として利用されてきた歴史があるそうです。

コーヒーが発見されたのは今から約1000年ほど前のこと。

エチオピアの高原地帯にはコーヒーが自生していて、その実を食べた羊が興奮状態になったのを発見してその作用が注目され始めたそうです。

ただ、今のように焙煎して飲むようなことはなく、野生のコーヒーの種子を煮出した汁を飲んでいたため、今のコーヒーとは全く異なるものだったそうです。

カフェイン配合医薬品

カフェインそのものは、今でも医薬品としても流通していて、カフェインが主剤となっている一般医薬品としては「眠気防止薬」があります。

眠気防止薬はカフェインの交感神経刺激作用によって、眠気や疲労感をとり、頭の重い感じを和らげることが期待されています。

服用後、数十分もすれと効果が現れ、2〜3時間は効果が継続します。

さらなる疲労感軽減を目的にビタミンB群も併せて配合されている製品も多数あります。

また、総合感冒薬や解熱鎮痛薬、ドリンク剤にもカフェインが配合されています。

外箱に記載されている成分名としては「無水カフェイン」として配合されています。

これもカフェインの交感神経刺激作用を利用したものです。

併せて疲労感を軽減させることから、薬全体の有効性を高めることも期待されています。

カフェインの覚醒作用のメカニズム

カフェインを含んだ飲み物や食べ物を摂取すると、頭が冴えて眠気が覚める覚醒効果があります。

これは、カフェインが脳内で眠気を作り出す「アデノシン」という物質をブロックするためです。

脳の覚醒作用をストップさせて神経を落ち着かせるはたらきがあるアデノシンが脳内ではたらくと、ヒトは「眠気」を感じるようになります。

カフェインはそのアデノシンの脳内での働きをブロックするので「眠気覚まし」に効果的だといわれているのです。

【第3類医薬品】エスタロンモカ錠(エスエス製薬)【生活改善/眠気覚まし】

エスタロンモカ錠は、ねむけを防止する医薬品です。

主成分の無水カフェインが大脳皮質に作用して眠気を除き、ビタミンB1がカフェインとともに働いて倦怠感を取り除きます。

会議の時、深夜の残業、受験勉強など、眠気をとりたいときに効果的です。

【第3類医薬品】エスタロンモカ錠 【24錠】(エスエス製薬)【生活改善/眠気覚まし】

カフェインの一般的な含有量

ご存知の通りカフェインは医薬品だけでなく、コーヒーを初め、様々な飲料に含まれています。

一般的な含有量は以下のとおりです

  • コーヒー:60 mg
  • 玉露:160㎎
  • 煎茶:20㎎
  • 紅茶:30㎎
  • コーラ飲料:10~13mg
  • エナジードリンク:32~300㎎

※)いずれも100mL中の含有量

特にエナジードリンクは製品によってカフェイン含有量が大きく異なりますが、製品1本当たり36~150mg程度です。

こうして見ると、コーヒーが最もカフェインを含む飲料ではないことに気づかされます。

カフェインの適正摂取量は?

それではカフェインの適正摂取量はどの程度なのでしょうか?

カフェインの1回の摂取限度は

「体重1kgあたり2.5mg程度まで」

と言われており、体重60kgであれば150mgです。

コーヒーを続けて飲むなら2杯までが限度と言えます。

エナジードリンクは1本だけの飲用が限度です。

眠気防止薬におけるカフェインの摂取量は200㎎/回、500㎎/日が上限とされています。

カフェインに潜むリスク

カフェインは多くの飲料等に含まれていることから、知らないうちに過剰摂取になってしまうリスクが高いと言えます。

過剰に摂取してしまった場合には

  • 中枢神経系の刺激によるめまい
  • 心拍数の増加
  • 興奮
  • 不安
  • 震え
  • 不眠症
  • 下痢
  • 吐き気

などの健康被害が生じる場合もあります。

日本国内においても、過去にエナジードリンクを日常的に大量摂取されていた方が「カフェイン中毒」で死亡されたといった衝撃的なニュースもあり、特に注意が必要です。

また、カフェインには、その作用は弱いながらも依存を形成することも判明しています。

毎朝コーヒーを1杯飲む程度であれば、全く問題ありませんが、日常的にエナジードリンクを飲用、眠気防止薬を服用することは依存のリスクが高まりますので、控えなければいけません。

妊婦、授乳婦におけるカフェイン摂取の是非

妊婦がカフェインを過剰摂取することにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があることも英国食品基準庁(FSA)より公表されています。

またカフェインの乳汁への移行も確認されています。

乳児や幼児は大人と同量のカフェインを接種した場合でも、血中濃度は大人よりもずっと長い間持続すると言われており、乳児や幼児はカフェインの影響が起こりやすいと言えます。

妊婦や授乳婦においても、カフェイン摂取はできる限り控えた方が良いと言えるでしょう。

まとめ 

いかがでしょうか。

今回は「カフェインの働きとリスク」について簡単にまとめました。

カフェインで感じる覚醒作用は、疲労などの「原因」を取り除いているわけではなく、脳を興奮させて体に無理をさせているだけです。

ドリンク剤を服用すると「疲れがとれた!」「元気になった!」と感じるのはこのためです。

その反面、カフェインの作用が切れると、頭痛、集中力の低下、疲労感などのマイナス面が現れます。

登録販売者としては、カフェインはとても身近な成分ですが、一方でリスクも伴うことをしっかり理解してお客様に適正使用を推進していきましょう!


市販薬ランキング



コメント

タイトルとURLをコピーしました