みなさん こんにちは
ところで、みなさんはお薬を服む時に
「なんで薬にはこんなに色々な形があるんだろう?」
と思ったことはありませんか?
「粉薬は口に広がるのが苦手で…」
「カプセルはいつも服みこめない」
「出来れば、素早く服める液体が良い!」
などの得意不得意もありますよね。
またそんな方のために服みやすくする服薬ゼリーも販売されています。
でも、それぞれの形にはちゃんと理由があるんです。
そこで、今回は「内服薬の主な形とその特徴」についてまとめました。
「お客様からお薬の形について質問された時にちゃんと答えられるか分からない…」
「お客様の服みやすい形のお薬をおすすめ出来るようになりたい」
という方は一度確認してみませんか?
内服薬の主な形とその特徴
内服薬の形

OTC医薬品の内服薬の形には、いくつか種類がありますが、主なものは以下の通りです。
- 錠剤
- カプセル
- 粉薬
- 顆粒
- ドライシロップ
- ドリンク剤
錠剤(カプセル剤)の特徴

錠剤(カプセル)の特徴は
- 服みやすい
- 持ち歩きしやすい
- 味やにおい、苦味を感じない
- 比較的長期間の保存が可能
- 用量が分かりやすい(一回一錠など)
- 服んだ後に体内で溶ける場所を調整出来る
などがあります。
生薬など薬の成分によっては苦味やにおい、味がしますが、錠剤(カプセル剤)ならほとんど感じません。
そんな特に生薬に多い特徴をカバーするのに、錠剤やカプセル剤は適していると言えます。
例えば、あの正露丸も独特の「臭い」を抑えるために、糖でコーティングして「正露丸糖衣」が販売されています。
また高齢者の場合、毎日数種類の薬を服用することが多く、服み忘れも起こりがちです。
そんな時にも錠剤なら「一日一錠」など分かりやすいので、服み忘れが起こりにくくなります。
さらに、通常なら内服薬は胃で溶け始めますが、錠剤やカプセル剤に特殊なコーティングを施すことで、胃ではなく腸で解ける「腸溶剤」などもつくることも出来ます。
粉薬の特徴

粉薬の特徴は
- 体内で素早く溶ける分、吸収されるのも早いので効果を早く得られる
- 1/2や1/3などの様に細かく服む量を調節が出来る
- 数種類の成分を混ぜられる
- 健胃生薬などの場合、独特の苦味や香りが胃を刺激して効果を発揮するので粉薬でないといけない
- 胃の粘膜を保護・修復する成分は粉薬の方が効果を得やすい
などがあげられます。
例えば、総合胃腸薬によく配合されている「ケイヒ」や「ゲンチアナ」などは独特の苦味や香りが胃を刺激して、胃を元気にする働きがありますので、これらの成分を錠剤やカプセル剤にして閉じ込めてしまうと効果が発揮されなくなってしまいます。
また、葛根湯などの漢方処方製剤は複数の生薬が混ぜ合わせてあります。
さらに、胃粘膜を保護する働きのある「カンゾウ」も粘膜に触れることで効果を発揮するので、粉薬や顆粒状で使用されています。
顆粒剤の特徴

顆粒剤は粉薬をコーティングして苦味やにおいを押さえて服みやすくしています。
粉薬よりもサラサラとしているので服みやすくなっています。
ドライシロップ

ドライシロップは薬を服むことが苦手なお子さんや高齢者でも服みやすいのが特徴です。
そのまま服んだり、水やジュースなどに溶かして服む場合もあります。
ドリンク剤

滋養強壮目的の栄養ドリンクや眠気覚ましのドリンク剤、葛根湯などの生薬製剤などに多く見られる形です。
特徴はとにかく吸収が早いという点です。
その理由は通常の胃で溶ける過程が省かれるからです。
またブドウ糖などの甘みがあるので服みやすいでしょう。
さらに服用する際、コップやお水が要らないので、場所を選ばないというメリットもあります。
お子様や高齢者への配慮

小さいお子様や高齢者の方には服用しづらい形もあります。
そんな時には同じ効能・効果が得られる違う形のお薬に変更出来る場合もあります。
口腔内崩壊錠やシロップ、坐薬などで対応出来るか薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
薬の働き方

薬を服むと体の中でどのように効果を発揮するのでしょうか?
その順番は
- 服用する
- 胃を通過する(健胃生薬や荒れた胃粘膜を保護・修復する成分はここで効果を発揮する)
- 腸で吸収される
- 肝臓で代謝を受ける
- 血液中に取り込まれる
- 患部で働く
となります。
薬の作用と副作用

薬には本来発揮して欲しい「効果」と望まれない「副作用」があります。
例えば、かぜ薬を服んでしばらくしたら、熱が下がったり、鼻水が止まったりします。
これはかぜ薬の効果です。
一方で眠くなってしまうのは副作用です。
主なOTC医薬品の副作用例

OTC医薬品の主な副作用の例としては
- 体のかゆみ
- 眠気
- 動悸
- めまい
- のどが渇く
- お腹が痛くなる
- 下痢をする
- 発疹
などがあります。
もしこの様な症状がでたら、漫然と服用を続けずに、一旦服用をやめて早めに医師に相談してください。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「内服薬の主な形とその特徴」についてお伝えしました。
内服薬の形はそれぞれに理由があります。
時々、お客様の中には自己判断で本来の形ではない服み方をしてしまう方がいます。
そんな時には同じ効能・効果でお客様の服みやすい形に変えらるか考えると良いでしょう。
そんな風に登録販売者として上手に接客出来ると良いですね。
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