知っておきたい便秘薬に使用される7つの成分と特徴

商品知識
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みなさん こんにちは😊

突然ですが、みなさんは登録販売者としてお仕事をしていると、「案外、便秘でお悩みの方って多いんだなぁ」と思いませんか?

私は思います。

どちらかと言うと、男性よりも女性の方が多い印象があります。

また、便秘を我慢しすぎると腹痛や腸内環境の悪化、肌荒れ、免疫力低下などを引き起こす原因になると言われています。

そんなつらい便秘の時に役に立つのが「便秘薬」ですよね。

ただ、一口に便秘薬と言っても、その種類も多く成分によって効き方が大きく異なります。

「いつもどの便秘薬をおすすめすれば良いのか分からない…」

「それぞれの成分はどう違うの?」

「お客様にあう便秘薬が知りたい」

という方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はそんな「便秘薬に使用される7つの成分と特徴」についてまとめました。

「それぞれのお客様に合う便秘薬を知りたい」

「登録販売者として、上手にアドバイスしたい」

という方は是非、ご覧になってください。

便秘薬の選び方

便秘薬の主な3つの効き方

便秘薬の効き方は主に以下の3種類に分けられます。

  1. 緩やかに効く「緩下剤(かんげざい)」
  2. 刺激を与えて出す「刺激性下剤」
  3. 素早く効果が出る「俊下剤(しゅんげざい)」

それでは、早速、各成分の特徴を見ていきましょう。

【1】酸化マグネシウム

お客様の中には「便秘薬を服用するとお腹が痛くなる」「一度服むとクセになる」と思っている方も多くいます。

ですが、酸化マグネシウムは腸を刺激しない「非刺激性」なので、お腹が痛くなりにくく、クセになりにくいのが特徴です。

しかも、妊婦の方や5歳以上のお子様、 ご高齢の方も服用できます。

酸化マグネシウムを服用すると、腸内に水分を集めて内容物を膨らませます。

その刺激で腸が動いて穏やかな下剤として作用します。

腸に水分を集めるため、服用時はお水をたくさん飲むことが重要です。

もし少なすぎると脱水症状を起こすこともあります。

[参照]健栄製薬酸化マグネシウム

【2】センナ

センナとはアフリカ原産の生薬で葉や実にアントラキノンの一種の『センノシド』を含み、 瀉下効果の高い便秘薬として古くから使われています。

センナの特有成分であるセンノシドは腸内で分解されてレインアンスロンという成分に変わります。

この物質が大腸の粘膜を刺激して『ぜん動運動』を活性化させて排便を促します。

センナは便を軟らかくするのではなく、腸に作用し、腸のぜん動作用を活発にしますので、女性に多い弛緩性便秘に効果があります。

特に女性は腸の自然な動きが鈍くなることで 便秘になりがちですから、センナを使うことで解消されやすいと言われています。

葉や実を乾燥させたものをお湯で煎じるタイプから、有効成分を抽出して錠剤にしたものなど様々な使い方があります。

【3】プランタゴ・オバタ種皮

プランタゴ・オバタというオオバコの仲間の植物の種皮です。

オオバコ科の植物で、その種子の外皮を精製したものが食物繊維として世界で広く使われています。

「サイリウム」または「イサゴール」とも呼ばれています。

水を含むと大きく膨らむ性質があり、腸内で水分を吸収して便通をよくする作用があります。

水分を吸収して膨らむので、服用時には水を多めに飲むようにアドバイスしましょう。

【4】ビサコジル

結腸や直腸の副交感神経を直接刺激して腸の運動を高める刺激性下剤です。

便を押し出そうとする排便反射も刺激しますので、慢性便秘にもしっかりと効果を発揮します。

また、胃でも作用してしまう成分のため、胃で溶けずに腸に届くよう錠剤が設計されています。

そのため、割ったりすると腸に届く前に溶けてしまい副作用だけが起きてしまうので、お客様に販売する際には「そのまま服用する様に」アドバイスしましょう。

【5】ダイオウ

タデ科の植物の根を乾燥させた生薬で、主な作用は瀉下作用ですが、色々な作用を含むため、様々な漢方薬に使用されています。

大黄に含まれているセンノシドは、大腸でレインアンスロンという物質に変化してはじめて便通効果を発揮します。

ですので、ダイオウは胃や小腸に刺激を与えることはないのです。

そのままの形で大腸に入り、大腸で分解されてセンニジンAとなり、更に腸内細菌によってレインアンスロンに変化することで、便通効果を発揮します。

下剤として単独で配合されてる場合もありますが、多くは大黄甘草湯という漢方処方の一部になっています。

【6】マルツエキス

麦芽糖を豊富に含んだ甘いシロップで、乳幼児の便秘に用います。

大腸に到達した麦芽糖が発酵することで腸の蠕動運動を促して穏やかな下剤として作用します。

甘いシロップなので、乳幼児、特に赤ちゃんでも問題なく服用することができます。

栄養価も高いので、栄養補給に使用されることもあります。

【7】グリセリン

保湿剤などにも使用されるグリセリンですが、浣腸剤の中身もこのグリセリンです。

濃厚液としての作用が、腸を刺激して腸の動きを促します。

また便に浸透して柔らかくするため、固くなった便も比較的容易に排泄することができます。

ただし、発疹や腹痛などの消化器症状が副作用として出ることがあります。

またノズルが長いタイプは挿入時に腸管壁を傷つけないように気を付ける必要があります。

頻繁に使用しているとグリセリンの刺激に腸が慣れてしまい、効き目が薄れてくることがあるので注意しましょう。

まとめ

いかがでしょうか?

今回は「便秘薬に使用される7つの成分と特徴」についてまとめてみました。

一口に便秘薬と言っても、成分によって様々な違いがあります。

その中からよりお客様の症状にあった便秘薬を選択できると良いですよね。

また、登録販売者としては、便秘薬に頼りすぎるのではなく、食生活と運動など「生活習慣」を見直すことで便秘解消できれば一番理想的だと言えます。

もし、便秘でお悩みのお客様がいたら、食物繊維や水分、乳酸菌、発酵食品などを意識してとってみたり、腸を動かす体操などを取り入れてみるなどもアドバイスしていきましょう。


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