登録販売者(実務経験者)になるための要件
一人で医薬品を販売出来る正式な登録販売者になるためには以下の3つの要件があります。
- 登録販売者試験に合格する
- 販売従事登録の申請をする
- 実務経験の要件を満たす
今回はこの正式な登録販売者(実務経験者)になるための要件を解説します。
合格後の流れ

登録販売者になるために、先ずは試験に合格することです。
そして合格後は「販売従事登録」の申請が必要になります。
そして実務経験の要件を満たせば、晴れて正式な登録販売者(実務経験者)となります。
登録販売者(実務経験者)は
- 一人で医薬品を販売出来る
- 店舗管理者になれる
など、登録販売者(研修中)とは仕事の幅や与えられる権限が大きく異なります。
従事登録申請とは?
登録販売者として仕事をするには販売従事登録の申請をする必要があります。
これは自分が住んでいる都道府県ではなく「実際に仕事をする都道府県」になります。
例えば、神奈川県に住んでいる人が東京都で働く場合は東京都で登録申請します。
また、一般的に面接を受けて採用になれば、職場の方がどこに登録申請に行けば良いのかなど細かいことは教えてくれるでしょう。
販売従事登録の申請に必要なもの

従事登録申請に必要なものは以下の通りです。
- 販売従事登録の申請書
- 合格通知書
- 戸籍謄本、抄本または戸籍記載事項証明書
- 医師の診断書
- 雇用契約書類(雇用契約書のコピーもしくは勤務証明書類)
- 登録料
診断書について

登録販売者の従事登録をするためには診断書を入手して申請する必要があります。
インターネットでダウンロードしたものをかかりつけの病院に持っていった上で事情を伝えてお医者さんに記入してもらうだけです。
これも働くことになった職場でどこの病院がおすすめかを教えてくれるケースが多いです。
診断書を発行する際の費用は病院によって異なりますので、職場の方に安いところを教えてもらえると良いです。
認められる実務経験

では、その「実務経験」とはどのようなものなのょうか。
- 一般従事者として薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の実務に従事した。
- 登録販売者として、薬剤師・登録販売者の管理下で医薬品販売の業務な従事した。
- 登録販売者として、店舗管理者または区域管理者の医薬品販売の業務に従事した。
【引用】医薬品の販売制度|厚生労働省 登録販売者制度に関するQ&Aについて
※)「一般従事者」とは登録販売者試験に合格していない人のことを指します
ポイントをチェック!

登録販売者の実務経験として認定されるために資格の有無や働いた業態は関係ありません。
「薬剤師または管理登録販売者の指示を受けて働いていたか?」がポイントとなります。
つまり、登録販売者資格を取得する前にOTC 医薬品と呼ばれる一般用医薬品を取り扱っているドラッグストアや薬局、薬店、コンビニエンスストアホームセンター、調剤薬局、配置薬販売業などで薬剤師や管理登録販売者から指示を受けて働いていた経験が実務経験としてカウントされることになります
例えば、ドラッグストアで主に品出しや陳列、レジ打ち、発注、前出しなどを行っていた場合でも実務経験にカウントされます。
登録販売者試験を受験する人の中にはすでにドラッグストアでパートやアルバイトをしている人もいるでしょう。
その人たちにはいくつかのメリットがあります。
それは
- 受験前に実務経験を積める
- 実際に医薬品に触れることで理解が深まる
- 先輩に質問したり、アドバイスを受けられる
という点です。
だとすれば、実務経験を積める職場で働きながら受験勉強をするのが、最も効率が良いと言えるでしょう。
実務経験の時間数は?

厚生労働省の見解としては
「過去5年のうち一般従事者又は登録販売者として実務又は業務に従事した期間が通算して2年に満たない登録販売者の実務は、薬剤師等の管理及び指導の下に行うものであるため、期間を通じて同一業者の同一店舗において、かつ、継続して行われることが望ましく、最低限、同一月中においては、1か月に 80 時間以上同一業者の同一店舗において実務を行った場合に限り、その月を実務経験又は業務経験とすることができる」
「登録販売者として就業し、自立して売り場に立つためには、直近5年間で2年以上(かつ直近5年間で累計1920時間以上)の実務経験が必須」
となっています。
つまり、登録販売者(実務経験者)となるには直近5年以内に2年以上(24ヶ月)の勤務経験があり、累計1920時間以上勤務していることが条件です。
また、旧基準では一ヶ月間で80時間以上の勤務が無ければ実務経験にカウントできませんでした。
しかし、新基準ではこの制約がなくなり、累計時間数で実務経験をカウントできるようになっています。
例えば、32時間/月×60ヶ月=1920時間でも要件を満たします。
さらに、登録販売者試験に合格する前でも実務経験としてカウントされます。
ですので、登録販売者試験の受験前からドラッグストアのパートやアルバイトなどで実務経験を積んでいれば、試験合格後すぐに登録販売者(実務経験者)になる人もいます。
実務経験の注意点

登録販売者試験に合格していない「一般従事者」と「直近5年のうち登録販売者としての実務又は業務に従事した期間が通算2年未満の登録販売者」の実務経験は要件が少し異なるので注意が必要です。
前述の厚生労働省の見解によれば
- 同じお店で同じ人に2年間指導してもらう
- 同じお店で直近5年のうちに1920時間以上、勤務する
ということになります。
つまり、もしも同業他社や同じ会社であっても違う店舗で勤務した場合、実務経験にカウントされないので気をつけましょう。
実務経験者のメリット①

1人で医薬品の販売が出来る実務経験者にはいくつかのメリットがあります。
一つ目は求人数の多さです。
ホームセンターやスーパー、コンビニ、家電量販店などの場合は少人数で医薬品コーナーを運営しているケースがほとんどです。
そのため実務経験者しか募集していないケースがほとんどです。
実務経験者のメリット②

2つは「店舗管理者になれる」という点です。
ドラッグストアやホームセンター、家電量販店、配置薬販売業、薬局・薬店など、医薬品を販売する全ての業態で、必ず「店舗管理者」を最低1人は配置しなければいけません。
その店舗管理者になれるのは登録販売者の場合は「実務経験者のみ」と定められています。
店舗管理者の役割

店舗管理者は店舗の総責任者とも言えます。
店舗管理者は薬剤師や登録販売者(実務経験者・研修中も含む)だけではなく一般従事者も含めて全従業員を管理監督します。
また医薬品やその他全ての物品管理を行います。
つまり、店舗における「人」と「物」の全ての責任を負うのです。
そう聞くと責任も重く大変そうに感じるかも知れません。
しかし、その分やりがいも感じることが出来ますし、給与にも繁栄します。
また、現在は「働き方改革」が進められていて過度な労働時間などは少ない様ですし、休日もしっかりと取れている様です。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は「登録販売者(実務経験者)になるための要件とメリット」についてまとめてみました。
登録販売者(実務経験者)になるには一定の要件を満たす必要があります。
また実務経験者には研修中の人にはないメリットもあります。
これから登録販売者試験を受験する方は試験に合格率したら是非、1人で医薬品を販売出来る実務経験者を目指しましょう!
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