ドラッグストアの果たす社会的役割
ドラッグストアの社会的役割は消費者のセルフメディケーションの推進を目的とした「必要な情報」や「サービス提供」ではないでしょうか。
消費者がセルフメディケーションを進める際の検討事項
消費者がセルフメディケーションを進めていく上で、専門家(薬剤師や登録販売者など)がサポートすることが重要です。
日本では、薬剤師や登録販売者などを有するドラッグストアがセルフメディケーションの推進をすることが求められているのではないでしょうか。
現在の日本における検討事項
- セルフメディケーションを進める消費者をどのようにサポートするべきか (薬剤師・登録販売者・各種専門家などの活用)
- 日本のニーズに応じた役割設定 (高齢化・人口減少など)
わが国におけるセルフメディケーションの位置づけ

『日本再興戦略』(平成25年6月閣議決定)では、「戦略市場創造プラン」のひとつとし て『国民の「健康寿命」の延伸』がテーマとして掲げられました。
解決の方向性として、健康寿命の延伸に向けたセルフメディケーションの推進が掲げられ、自己健康管理に必要な健康増進・予防や生活支援を担う市場・産業を創出 ・育成する必要性が提起されています。
戦略分野(市場・産業)

- 健康寿命延伸産業の育成
- 予防・健康管理推進に関する新たな
仕組み作り - 食の有する健康増進機能の活用
- 医療・介護情報の電子化の促進
- 医療情報の利活用推進と番号制度導入
- 一般用医薬品のインターネット販売
- ヘルスケアポイントの付与
出典:『日本再興戦略』(平成25年閣議決定)より作成
厚生労働省の取り組み
厚生労働省『厚生労働白書』(平成26年版)では、『日本再興戦略』を受け、健康長寿社会の実現や健康寿命の延伸に向けた提言などを行っています。
ドラッグストアとしても、他のプレイヤーと協力しながら、健康寿命の延伸のために担うべき役割を検討する必要があるのではないでしょうか。
厚生労働白書で提起されている主な政策課題

- 体力に関する運動
- 食事に関する事業
- 地域健康(医療・介護)に関する事業
- 地域包括ヘルスケア、介護制度など
- 生活・職場に関する健康・予防活動
- 労働者の健康確保対策など
- 生活習慣に関する健康・予防活動
- 予防接種の推進など
医療費・医薬品の現状(各国比較)
現在の日本では、GDPにおける医療費公的支出および総医療費の比率が欧米先進国と比較して低い。
一方で、医薬品に占めるOTC医薬品の比率も低い水準にあります。
つまり、OTC医薬品の活用の余地があるのではないでしょうか。

医療用医薬品とOTC医薬品の国内生産比率

薬には、病院などで診察を受けて医師の診断で発行された処方箋をもとに調剤される「医療用医薬品」と、処方箋がなくても消費者の判断で薬局やドラッグストア等で購入できる「OTC医薬品」(一般用医薬品)の2種類があります。
2019年の医薬品生産額9兆4,860億円のうち、医療用は8兆6,628億円、OTC医薬品は8,232億円と、生産額の比率はおよそ9:1です。
OTC医薬品の方が日ごろ目に触れやすいため、少し意外に感じられる結果かもしれません。
ドラッグストアを巡る環境の変化

高齢化や人口減少などの環境変化を勘案しつつ、ドラッグストアにおいても対応を検討していく必要があるのではないでしょうか。
- 高齢化
- 人口減少の進展
- 高齢者に対する持続的かつ実効的な商品
- サービス提供が必要 (接客型の小売業の重要性が高まるのではないか)
- 長期的な人口減少局面 (高齢化、狭小商圏化 など)
- およそ600万人の買物弱者の発生
まとめ
今回は「目指すべき健康長寿社会像とドラッグストアの活用」についてまとめてみました。
少子高齢化が加速する現在の日本のドラッグストアには、運動指導や栄養指導、予防・検診など、公的保険外のサービスや商品を適切に提供することも求められるのではないでしょうか。
出典:経済産業省「地域ヘルスケアビジネス推進フォーラム」




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