登録販売者試験に出る「風邪に効く漢方処方製剤」はどれ?②

登録販売者試験対策
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ドラッグストアで気軽に購入できる漢方薬

でも種類が多すぎてどれを選べばよいかわからなくなることありますよね?

そんな時は登録販売者として、きちんと根拠を伴って患者さんに最適の漢方薬をオススメしたいものです

登録販売者試験でもよく問われる漢方処方

今回は特に風邪気味でお困りの方向けの代表的なものをいくつか説明していきます

漢方処方における体質表現について

漢方処方を個別に説明する前に、漢方処方独特の体質表現について確認しておきましょう

漢方の適応となる体質傾向は、一般的に以下の5段階で表現されます

5つの体質とは?

  • 体力が充実(体ががっちり、胃腸が丈夫、体温が高い)
  • 比較的体力がある
  • 体力中等度
  • やや虚弱
  • 体力虚弱(胃腸が弱い、冷えやすい)

漢方処方それぞれがどんな体質、どの程度の体力を持つ人に適するのかを意識しておくことが重要です

風邪に用いる漢方:葛根湯(カッコントウ)

配合生薬

  • 葛根(カッコン)
  • 大棗(タイソウ)
  • 麻黄(マオウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 生姜(ショウキョウ)

葛根湯は風邪に用いる漢方処方として最も有名ではないでしょうか?

「体力中等度以上の人」の風邪のひき始めにおける諸症状、頭痛、肩こり、筋肉痛、手足や肩の痛みに適するとされています

風邪のひき始めにとりあえず葛根湯、といったイメージもありますが、実は虚弱体質の人(体力が衰えている人、体の弱い人など)には不向きです

また、葛根湯は発汗を促すことで熱を下げて風邪を治そうとしますので、同じ風邪のひき始めであってもすでに発熱している方も不向きです

試験対策としては、効能効果に肩こりが含まれていることを覚えておきましょう!

葛根湯は体を温めることを期待して慢性頭痛(特に緊張型頭痛)や肩こりの治療でもよく用いられます

風邪に用いる漢方:麻黄湯(マオウトウ)

配合生薬

  • 麻黄(マオウ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 杏仁(キョウニン)
  • 甘草(カンゾウ)

麻黄湯は葛根湯と同じく、古くから風邪のひき始めに使用されてきました

「体力が充実している人(新陳代謝の盛んな子供なども含む)」に適しています

悪寒、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳などがあるけれど、汗は出ていないという状態が使用の目安です

特に体のふしぶしが痛むような場合によく効くと言われています

葛根湯と同じく、虚弱体質(体力の衰えておる人、体の弱い人など)の人には不向きです

配合生薬の中では麻黄の含有量が多いので、生薬成分「麻黄」の有効成分や起こりやすい副作用も必ず確認しておくようにしましょう!

風邪に用いる漢方:小柴胡湯(ショウサイコトウ)

配合生薬

  • 柴胡(サイコ)
  • 半夏(ハンゲ)
  • 黄芩(オウゴン)
  • 大棗(タイソウ)
  • 人参(ニンジン)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)

小柴胡湯は「体力中程度の人」で、風邪がこじれて長引いたとき、胃腸虚弱、食欲不振、疲労感などに広く用いられます

また、体調不良のサインとして舌が白くなる(舌苔がつく)ことがありますが、小柴胡湯は舌苔があり食欲不振などを示す人にも適しています

また小柴胡湯は、頻度は高くないものの重篤な副作用として間質性肺炎肝機能障害を引き起こすことが知られています

特に肝疾患等でインターフェロン製剤を使用している方は小柴胡湯による間質性肺炎の発症リスクが高まると言われているため、服用を避ける必要があります

インターフェロン製剤を使用していなくても、そもそも肝疾患を患っている方は間質性肺炎を引き起こしやすいため、小柴胡湯の服用には主治医に相談するなどの対応が必要となります

風邪に用いる漢方:柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)

配合生薬

  • 柴胡(サイコ)
  • 半夏(ハンゲ)
  • 黄芩(オウゴン)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 大棗(タイソウ)
  • 人参(ニンジン)
  • 生姜(ショウキョウ)

柴胡桂枝湯は、小柴胡湯と桂枝湯を合わせた処方となっています

「体力中等度又はやや虚弱な人」が適しており、発熱、悪寒頭痛あるいは吐き気がある方の胃腸炎や風邪が長引いた症状などに用いられます

小柴胡湯と同じ効能だと思うかもしれませんが、小柴胡湯の適応症状とともに頭痛、悪寒の残っているような人には柴胡桂枝湯の方が適しています

副作用については小柴胡湯と同じく、間質性肺炎、肝機能障害に注意が必要です

まとめ

同じ風邪症状の方向けの漢方処方でも、適している症状には大きな違いがあることがわかります

特にお客様の体質から向き、不向きがあるのは漢方処方特有の判断視点ではないでしょうか

「風邪っぽい症状に使いたいんだけとど、どの漢方が良いの?」

などとお客様から聞かれた時は、その症状や今、服用中の薬などを聞き取った上で最適な商品を提案できるようにしっかりと知識を身につけておきましょう!




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