水溶性ビタミンの種類や働きを解説!

登録販売者試験対策
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体を健康に維持するために欠かせない五大栄養素の一つであるビタミン。

そのビタミンは性質によって脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。

今回はそのビタミンの中でも、水溶性ビタミンの働きや覚えておくべきポイント、登録販売者の実務に役に立つ豆知識などをお伝えします。

水溶性ビタミンの種類とその働き

ビタミンB1(チアミン)

ビタミンB1は炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用や腸管運動を促進する作用があります。

主に総合ビタミン剤や風邪薬などの医薬品や栄養ドリンクなどの医薬部外品に配合しれています。

主な効果・効能は眼精疲労や神経痛、筋肉痛、関節痛、手足のしびれ肉体疲労回復などに用いられます。

ちなみに、ビタミンB1の含有量が多い食品は豚肉やレバー、豆類などがあげられます。

また米のヌカ部分にも豊富にビタミンB1が含まれているので、精白米よりも玄米を食べる方がビタミンB1を摂取することができます。

ビタミンB1が不足すると脚気(末梢神経障害や心不全、浮腫などが現れる病気)を引き起こします。

登録販売者の実務上、お客様には

「ビタミンB1は食べたものを燃やすのに必要なんです。だから不足するとだるくなるんですよ。」

「神経の傷を修復してくれる働きがあるんですよ」

などとお話しすることがあります。

※1)神経は髄鞘というカバーのようなもので覆われていますが、その髄鞘の傷をビタミンB1は修復して神経痛を緩和します。

※2)風邪薬に配合されているのは熱で消耗するからです。

熱がでると体内でビタミンB1が消耗します。

するとビタミンB1不足から体がダルくなるのでそれを補うために風邪薬に配合されている場合があります。

※3)ドリンク剤は素速くビタミンB1を補って疲労回復を助けます。

ビタミンB2(リボフラビン)

ビタミンB2は、脂質の代謝に関与して皮膚や粘膜の機能を正常に保つために働くので「皮膚のビタミン」「粘膜のビタミン」と呼ばれています。

主に口内炎や口角炎、舌炎、皮膚炎、目の充血などに用いられる他、肌荒れ対策などの美容目的として摂取するサプリメントもあります。

ビタミンB2は水に溶けると黄色を示すため、ビタミンB2主薬製剤やサプリメントを服用すると体内で吸収されなかった分が尿に溶け込んで排泄され、尿の色が濃い黄色になるといった特徴があります。

またドリンク剤がレモン色をしているのもそのためです。

これを知らずにサプリメント等を服用して、自分の尿の色に驚いてしまう方もいらっしゃいます。

※1)ニキビ、肌荒れ、口内炎に効くチョコラBBはビタミンB2主剤です。

ビタミンB6(ピリドキシン)

ビタミンB6はタンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持を行います

ビタミンB2主薬製剤と同様、口内炎や口角炎、舌炎、皮膚炎などに用いられる他、肌荒れ対策などの美容目的として摂取するサプリメントもあります。

ビタミンB6は体の中で赤血球の血色素であるヘモグロビンの合成にも関与しています。

そのため、貧血の治療で医療用医薬品のビタミンB6製剤が用いられることもあります。

ビタミンB12(コバラミン)

ビタミンB12は赤血球の形成を助けたり、神経機能、特に視神経を正常に保つ働きがあります。

ビタミンB12が不足すると体内で赤血球をきちんと作ることができないため貧血を起こします。(悪性貧血)

特にビタミンB12不足で起こる貧血を巨赤芽球性貧血といい、何らかの疾患で胃や腸を切除している場合などは起こりやすい貧血です。

またビタミンB12は視神経の正常な働きを助けるので目薬に配合されている場合があります。

赤い色をした目薬はビタミンB12の色です。

ビタミンC(アスコルビン酸)

ビタミンCは体内の脂質を酸化から守る作用(抗酸化作用)を持ち、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ働きがあります

メラニンの生成を抑制することも分かっており、美白を謳う化粧品などにも配合されることがあります

しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着の症状の緩和の他にも、歯ぐきからの出血・鼻出血の予防にも用いられます

ビタミンCは柑橘系などの果物や野菜に多く含まれています

ビタミンCは抵抗力にも関わっていて病気やストレスへの抵抗力を強めるので積極的に摂取することを意識してみてもよいでしょう。

その他の水溶性ビタミン

これまで述べたビタミン以外には、水溶性ビタミンとしてビタミンB群の一つであるナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミドの総称)、パントテン酸、ビオチンなどがあります

いずれも皮膚や粘膜などの機能を維持することを助ける働きを持っています

まとめ

水溶性ビタミンは「水に溶けることができる」といったその性質から、通常食事等から摂取する分だけでは過剰症を引き起こすことはありません

薬やサプリメントとして摂取する際も必要な分だけが体内に吸収され、残りは尿に溶け込んで排泄されるため過剰症は起こりにくいです

そのため、試験対策として覚えておくとよいのは欠乏症です

特にビタミンB1不足による脚気はとても有名なので忘れないようにしてください

このブログのカテゴリー(登録販売者試験解説」が少しでも受験生のみなさんのお役に立てば幸いです


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