私たちの血管は、生まれたばかり赤ちゃんの頃はとても柔らかく弾力性があります。
それが年をとるにつれて、徐々に弾力性が失われて硬くなってしまいます。
また、生活習慣や食生活などの理由で急激に硬くなってしまうのが「動脈硬化症」です。
動脈硬化が進むと、心疾患や脳卒中などの循環器系の病気のリスクが一気に上がります。
私は登録販売者として、自分が担当しているお客様やそのご家族の方が「動脈硬化症」にならないように、そのリスクや原因、予防法などをお話することがあります。
そこで今回はそんな「動脈硬化症」についてお伝します。
よりお客様に信頼され、頼られる登録販売者になりたいという方は是非、ご覧下さい。
血管の弾力性
血管の弾力性を表す例(赤面)

私たち人間は緊張したりお風呂に入ったり、運動した時などに顔が赤くなりますよね。
いわゆる「赤面する」「顔が紅潮する」と言います。
この「顔が赤くなる」というのは顔の皮膚の奥にある血管が拡張して、顔の表目スレスレに寄ってきたために、血管が透けて見えるからなんです。
普段は皮膚の奥にある血管が、血流量を増やすために拡がって皮膚の表面スレスレまで寄ってきます。
すると、血管には血液が流れているので、血管が透けて見えて顔は赤くなります。
そして、しばらくして血管が元の細さに戻り、奥にいくと、透けて見えなくなるので顔の赤みもなくなります。
血管が拡張する理由

運動している時などには、体の各細胞は酸素や栄養がたくさん必要になります。
そのため、全身の血流量を増やすために、自律神経の働きで
- 心拍数を上げる
- 血管を拡げる
ということがおきます。
それは、もし血管が拡がらなければ、その分だけ心拍数がどんどん上がるので、心臓の普段が増してしまうからです。
そうならないように血流量を増やす時には、心拍数を上げるだけではなく、血管も拡がって心臓の負担をなるべく軽くしています。
もし、道路が渋滞している時に一時的に2車線の道路を10車線に拡げることが出来れば渋滞は緩和されますよね。
現実的にそんなことは不可能ですが、血管はそんな風に日頃から「拡張と収縮」を繰り返しているんです。
血管の弾力性が失われる例

風船に空気を入れて、しばらく経ってから空気を抜くと風船の弾力性はどうなるでしょうか?
風船のゴムの弾力は失われていますよね。
また大きな箱などに輪ゴムをかけておいて、しばらくしてからとると、ゴムの弾力性はなくなって、手で引っ張っぱたら切れてしまったなんて経験はありませんか?
これらは風船や輪ゴムの弾力性が失われたからですよね。
高血圧症の人の血管もこれとよく似ていて、高血圧症の方の血管は、常に外に向かって高い圧力がかかっています。
それが長く続けば、血管の弾力性が失われてしまい、脆く破れやすくなってしまいます。
これがいわゆる「動脈硬化症」です。

血管の弾力性を保つには
血管の弾力性を保つには高血圧を防ぐ事です。
血圧が正常値であれば、血管にそれほど圧力がかからないので弾力性も保てます。
そのためには
- 塩分を控える
- 適度な運動
- 喫煙は厳禁
- アルコールは控えめにする
- 健康的な食生活をおくる
などがあげられます。
血管に弾力性を与えてくれる成分
また血管に弾力性を与えてくれる栄養成分がありますので、それらを意識して摂りましょう。
ルチン

そばなどに多く含まれる「ルチン」は血管に弾力性を与えてくれます。
蕎麦には食物繊維も多く含まれるので整腸作用もあります。
また、蕎麦を茹でる時にできる蕎麦湯にはルチンが溶け出しているので合わせて飲むと良いでしょう。
ただ、そばつゆは塩分が多いのでつゆを飲み干したり、つけ過ぎには気をつけてください。
イチョウ葉エキス

イチョウ葉に含まれるイチョウ葉特有の二重フラボノイド「ギンコライド」は血管に弾力性を与えてくれます。
ドイツやフランス、アメリカ、中国など世界中で医療用医薬品として使用されています。
元々イチョウ葉は日本特有の植物ですが、その研究はドイツで始まりました。
イチョウ葉特有の二重フラボノイドであるギンコライドを脳の血流障害の患者さんに投与したところ、血流が改善したことからその研究が進みました。
また高齢者に多い認知機能の低下も脳の血流が減少することで起こると言われていますが、イチョウ葉エキスは脳の血管を拡げて血流量を増やしてくれるので、予防と改善の効果が期待されています
更にイチョウ葉エキスを摂取すると全身に働きかけるので肩凝りや冷え性などの血行不良が原因の症状の改善も期待されます。
脳卒中のリスク
血管は弾力性が保たれているほど、破れにくくて丈夫だと言えます。
逆に柔軟性・弾力性が失われれば破れやすくなるので、もしも血管が詰まった時に破れてしまう「脳出血」や「くも膜下出血」を引き起こすかもしれません。
かつては、日本人の死亡原因の第一だった脳卒中ですが、今は医療や治療薬の進歩などで第5位に下がっています。
しかし、脳卒中の場合、命は助かっても後遺症が残る可能性が高いと言われています。
- 言語障害(ろれつが回らない)
- 半身付随
- 麻痺
- 視覚障害
など、出血する場所によって現れる後遺症も変わってきます。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「血管の弾力性」についてお伝えしました。
最近は「血管年齢」という言葉もよく耳にします。
若々しい血管を保つことは生活習慣病のリスクを減らす第一歩とも言えますよね、
登録販売者のみなさんも、もし中高年のお客様がいたら、血管の弾力性の大切さをお伝えしてみませんか?
コメント