健康診断の結果で気になる項目の一つと言えば「血糖値」ですよね
糖尿病というとなんだか怖いイメージがありませんか?
でも具体的に糖尿病ってどんな病気か今一つ分からない人も多いのではないでしょうか
そこで今回はそんな「糖尿病」ついてお伝えします
糖尿病とは?
血液中に含まれる糖分(ブドウ糖)のことを血糖といい血糖の量(血糖値)は、インスリンというホルモンの働きによって調節されています
食後は誰でも血糖値が上昇しますが、通常はインスリンの働きによって血糖値は下がります
しかし、何らかの原因でインスリンの分泌が低下したり分泌されたインスリンがうまく働かなかったりすると食べものからとったブドウ糖がうまく処理されなくなり血液中にたまって血糖値が高い状態が続きます。この状態が「糖尿病」です
2型糖尿病と1型糖尿病の違い
インスリンの分泌や作用が低下して起こる糖尿病は「2型糖尿病」といい、日本人の糖尿病のほとんどがこの2型糖尿病です
2型糖尿病の原因には、遺伝的要因に加えて生活習慣が大きく関わっているといわれています
また、糖尿病には、インスリンがほとんど分泌されない「1型糖尿病」もあります
こちらは自己免疫疾患の1つであり、遺伝的要因が深く関係しています
糖尿病の数値
空腹時血糖値
10時間以上絶食した状態で計測し、食事前の血糖値が最も低くなっている状態を計測
- 126mg/dl以上 糖尿病
- 100〜125mg/dl以上 糖尿病予備軍
糖尿病とは空腹時血糖値が125mg/dl以上の場合です
100〜125mg/dlの場合は糖尿病予備軍とされていて現在、日本の1/5が糖尿病もしくは糖尿病予備軍とされています

HbA1c
10時間以上絶食した状態で計測で食事や運動などの影響を受けない過去1〜2ヶ月の血糖の平均値
- 6.5%〜 糖尿病
- 6.0〜6.4% 予備軍
糖尿病を発症すると
では、糖尿病を発症するとどの様な状態になるのかみてみましょう
細胞に取り込まれずに行き場を失った糖は血液中にあふれ出します
そうなると血管が詰まったり神経障害など、様々な合併症を引き起こします

その理由は、健康な人の血液が水のようだとすると、糖尿病の人の血液はガムシロップの様にベタベタしている状態だからです
血液は酸素や栄養を体の各細胞に送り、二酸化炭素や老廃物を持ち帰りますが、それが上手く出来なくなります
また血管の内側を傷付け出血させてしまい、その出血を止めるために血管内にコブが出来るので血流を悪化させます

この様に糖尿病が進むと全身に悪影響を及ぼします
糖尿病になる原因
糖尿病になる原因はいくつかありますが代表的なものは
- 摂取エネルギー過多
- 早食い
- 甘いものの食べ過ぎ
- 甘い飲み物の飲み過ぎ
- 消費カロリー不足
などがいくつか絡みあって発症しているケースが多いと言われています

糖尿病が発症するまでの流れ
- 血液中に糖があふれる
- 血管の内側から活性酸素が発生
- 活性酸素が血管を破壊する
- 初期の自覚症状が現れる
- 合併症が発生する
糖尿病の進行は上記のようになります
糖尿病は一度発症すると改善するのは難しいと言われ、医師からの処方薬やインスリン注射を使い続けなければならなくなることが多いでしょう

もし健康診断で予備軍と診断されたら、医師の指導のもと、生活習慣と食生活を早めに改善しましょう
糖尿病の合併症
糖尿病が進行すると様々な「合併症」や「初期症状」「生活習慣病」を引き起こします
糖尿病の三大合併症
- 糖尿病腎症(人工透析が必要に)
- 糖尿病神経障害(壊疽の原因に)
- 糖尿病網膜症(失明原因第1位)
糖尿病はそれ自体は直接命に関わる病気ではありません
しかし自覚症状がないまま進行して合併症を起こすことが大きな問題となります

なかでも「糖尿病性腎症」、「糖尿病性神経障害」、「糖尿病性網膜症」は糖尿病特有のもので三大合併症と呼ばれています
糖尿病の初期症状
- 手足の痺れ
- ED(勃起不全)
- 皮膚の乾燥・痒み
- 頻尿・多尿
- 多汗
- 喉の渇き

生活習慣病
- 心筋梗塞 (健康な人の約3倍)
- 脳梗塞 (健康な人の約3倍)
- 高血圧 (約半数が併発)
糖尿病は自覚症状が現れたり、健康診断の結果、予備軍と診断された段階で生活習慣や食生活の改善をすれば防ぐことが出来ます

先ずは自分の適正な摂取エネルギーを把握しましょう
糖尿病対策(食事)
食事は好きなものを好きなだけ食べるのではなく、緑黄色野菜なども含めてバランスよく摂ることが大切です

また糖質や飽和脂肪酸を含んだ動物性脂肪は避けましょう
それらを過剰に摂ると中性脂肪が増えますが中性脂肪からインスリンを効きづらくする物質が出るからです
また外食やテイクアウト、デリバリーなどは栄養バランスの偏ったメニューが多いので、できるだけ避けて栄養バランスの良い手料理を増やしましょう

5大栄養素である
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
に加えて抗酸化作用のある「フィトケミカル」腸内環境を整える「食物繊維」などバランス良く食べましょう
お酒、インスタント食品、清涼飲料水、菓子パン、ファストフード、スナック菓子、フルーツなどは控えましょう
食事がパンやおにぎり、ざるうどんだけなど炭水化物に偏っていませんか?

食事の際には先に野菜を多く摂ると満腹感も得られて、栄養バランスも良くなります
糖尿病の食材選び
雑穀米や玄米
タンパク質やビタミンやミネラルが豊富な雑穀米や食物繊維が多い玄米などがおすすめです
糖質の摂取量を減らしながら摂取カロリーを減らすことができるのも魅力です
白身魚や脂質が少ない青魚
アジは青魚の中でも脂質が少なめで、タンパク質が多く、必須アミノ酸もバランスよく含まれています
また皮を取り除いた鶏肉や脂肪の少ない牛や豚のヒレ肉、大豆製品などでタンパク質を摂取しましょう
野菜を摂る
野菜に多い食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにしたり血中コレステロールを低下させる働きがあります
また野菜はカロリーが低く料理のカサを増すので摂取エネルギーを減らすことが出来ます

糖尿病対策
運動を増やす
摂取エネルギーを消費エネルギーが上回るように、日常生活の中に歩いたり自転車をこぐなとの有酸素運動を取り入れましょう

その際、汗をかくと血液の粘り気が増すので、水分補給はしっかりと行う必要があります
空腹時に一気に甘いものを摂取しない
空腹時に急に糖質を摂ると血糖値が急に上昇しますので気をつけましょう
特に果汁100%のジュースに含まれる「果糖」はとても吸収されやすいので血糖値が急激に上昇する恐れがあります

また、以前若者の間で空腹時に甘い清涼飲料水を一気に飲む「ペットボトル症候群」が問題になりました
2ℓのペットボトルで甘い清涼飲料水をガブガブ飲んでいた若者達が糖尿病を発症したことからその呼び名がついています
ですので、糖尿病、又は糖尿病予備軍の方はお茶をおすすめします
こまめに多めに水分補給
血中の糖を排出するためにお小水がたくさんでますので水分は多めに摂りましょう

夏場などは発汗すると血液の粘り気が強くなり詰まる恐れがあるので特に気をつけましょう
入浴・就寝前の水分補給
入浴中や睡眠中にもたくさんの汗をかくことがありますのでその前に水分補給をしましょう
まとめ
糖尿病は血液中に糖があふれる病気で、全身に影響を及ぼします
合併症による壊疽(えそ)で足を切断するケースもある怖い病気です
食事療法・運動療法がダメなら薬物療法の順番です
血糖値をコントロールするお薬を服んだり、インスリン注射を使用しても糖尿病は直りません

先ず食生活と生活習慣を振り返り、早めに対策をとりましょう
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